昨日、首相の諮問機関である第29次地方制度調査会が、平成の大合併を打ち切るべきという答申をまとめた。事実上、平成の大合併の終了を宣言したようなものである。この平成の大合併で、1999年3月に3,232あった市町村は、2010年3月には1,760まで減少する見込みだそうである。
それにしても、この平成の大合併でわけのわからない都市名がいくつも誕生した。
そのなかでも、どう考えてみてもおかしな都市名を列挙してみたい。まず奥州市(水沢市・江刺市、胆沢郡前沢町・胆沢町・衣川村が合併)と甲州市(塩山市と東山梨郡勝沼町・大和村が合併)。
そもそもこの地名をつけた人々は「奥州」や「甲州」という名前の意味を知っているのだろうか。奥州も甲州も律令制に基づいて作られた令制国、陸奥国と甲斐国の別称である。陸奥国とは明治以前は現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県の広さもあり、1867年(明治元年)になってやっと陸奥国・陸中国・陸前国・岩代国・磐城国の5つに分割されて、現在の岩手県だけが陸奥国となったのである。
というわけで、この奥州市や甲州市という名前はどうみても分不相応というか身の丈に全くあっていない地名である。奥州市は鎮守府もあり歴史的にも由緒ある胆沢市とするべきだっただろう。また、甲州市もぶどう市とした方がいいような気がする。w
そして、ひらがなの都市名も実に増えた。さいたま市を筆頭に、つがる市、にかほ市、みどり市、さぬき市、かほく市、うきは市、せたな町、まんのう町、さつま市・・・。どれもこれも幼稚な名前にしか思えない。まるで漢字文化を否定しているようであり、歴史的文化的な重みがまったく感じられない。
このほかにも、可笑しいだろうという地名は数限りない。西東京市、東かがわ市、四国中央市、瀬戸内市・・・・。私は今でもたまに仕事で全国各地を訪れるが、自分の土地の名をいくら合併だからといって、軽々しく変えるような土地は残念ながら訪れたいとは思わない。
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