松本清張の有名小説でこれまでにも映画化やドラマ化が何度もされている。ストーリーは結婚したばかりの禎子(広末涼子)の夫・鵜原憲一(西島秀俊)が金沢で失踪。禎子はそれを解明するべく金沢に向かうが、そこで次々と事件が起きる。事件には夫の隠された過去が絡んでいるようで、関係する女2人(佐知子:中谷美紀と久子:木村多江)の存在が徐々にクローズアップされていく。
結論からいうと、可もなく不可もなくという映画だった。3人の女優陣の演技はそこそこ頑張っているとは思うが、じゃあ〜、この演技で映画賞を受賞するかというとそれほどでもない。
広末涼子は以前より目に問題がある女優だと思っている。映画のタイトルではないが、焦点が定まらないというか、目が泳いでいるというか、目に安定感がない。その意味では今回の役は不安定な役どころで適役だが、やはり最後の最後で目力を発揮しておらず、まだまだ課題の多い女優だ。
中谷美紀は一番おいしい役どころで存在感はしっかりしているものの、細かい演技力に難点がある。どことなく口先で演技をしているのが気になってしまった。3人のなかで一番地味な役だったが、木村多江は好演だった。スッピンに近いメークと訛りのある言葉に味わいがあり、さすがに一日の長を感じた。ただ、演技とは関係ないがどうして字も読めない久子が受付係をやっていたのかが不思議である。(ネタバレかな w)
さて、演出に関しては疑問がいろいろと残る。最初のニュース映像にしろ、最後の英語の挿入歌にしろ、余りにもありきたりで、今どきの学生映画でも使いそうにない手法を用いている。最後の最後の現代の映像だけで、時代を十二分に表せなかったのだろうか・・・。
映画『ゼロの焦点』公式サイト
http://www.zero-focus.jp/index.html
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