先月上旬に庄内地方を訪れたとき、藤沢周平ゆかりの宿・湯田川温泉「九兵衛旅館」に泊まったが、そのときに幸運にも彼が好んだという部屋「桂の間」を利用することができた。
藤沢周平(本名:小菅留治)は1927年(昭和2年)12月に湯田川温泉の近くの旧山形県東田川郡黄金村(現在の鶴岡市高坂)に生まれた。彼は1959年(昭和24年)に山形師範学校(現山形大学)を卒業。その後、当時の西田川郡湯田川村立湯田川中学校へ赴任した。そして、彼はここで国語、英語、社会などを教えていた。
九兵衛旅館の女将(大滝澄子さん)はそんな小菅先生の教え子のひとりであり、先生が作家となってからは、帰省の際にはここの旅館に泊まり、そのことから、ここが藤沢周平ゆかりの宿となった。
旅館は湯田川温泉のメイン通りから一歩奥に入ったところにあるが、建物はつい最近(平成21年5月)リニューアルしたばかりのため、綺麗に整備されていてロビーや廊下に余計なものなどが置かれてなく、広々としていて気持ちがいい。また、廊下も畳敷きで暖かみがある。
また、若い庄内美人のスタッフの応対もテキパキしていて、これまた気持ちがよかった。料理の味付けも濃くもなく薄くもなく、私の舌にマッチしていたし、名物の芋煮も美味であった。もちろん温泉もゆったりとした広さでゆっくりとくつろげることできた。
藤沢周平がよく利用した部屋からは春になると白い馬酔木の花と薄い黄色を散らしたようなサンシュの花が見えるそうであるが、私が泊まったのは10月であったので見ることができなかった。というより、私にはそれがどのような木であることが解るはずもない。(苦笑)
写真上:ロビー横にある藤沢周平コーナー
中:藤沢周平が好んだ桂の間
下:客室へ通じる廊下脇の読書コーナー
追記:この九兵衛旅館では藤沢周平関連の無料でDVDを見ることができ、私も久しぶりに内野聖陽・水野真紀主演の『蝉しぐれ』(NHK)を借りて見てしまった。
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