中学時代、深夜放送の『パックインミュージック』を夢中になって聞いていた。一番最初に聞いた深夜放送は『オールナイト・ニッポン』であったが、中学1年の冬ぐらいにクラスメイトの女の子(この子にはジュニア小説の雑誌も随分借りて読ませてもらった)から「TBSの『パックインミュージック』の面白いよ」と薦められて聞くようになった。
『パックインミュージック』は私が中学に入学した年の1967年7月からTBSで放送が開始された深夜0時30分(後に1時に)スタートの深夜放送ラジオ番組。第1部は曜日ごとに男女ペアがパーソナリティとなり、第2部(深夜3時スタート)は局アナが1人で担当することで始まった。その後、パーソナリティは頻繁に変わったが、金曜(木曜深夜)だけは番組が終了する1982年7月まで、野沢那智・白石冬美のナチチャコ・コンビが続いた。
とにかく金曜パックはめちゃくちゃに面白かった。ナッチャンこと野沢那智の軽妙なおしゃべりとチャコちゃんこと白石のはじけたツッコミ(ボケも)が巧妙に溶け合って、マシンガントークとなって続きいつも楽しい番組を作りあげていた。この二人が担当する曜日だけは番組名に「ミュージック」とついていながらも、音楽が1曲かかるかかからず、番組の中心はリスナーからの投書の「お題拝借」で盛り上がっていた。
この「お題拝借」でもっとも印象に残っているのが「マエタカとタカタカの戦い」だった。マエタカとは前橋高校、タカタカとは高崎高校のことで、群馬のライバル校の投書合戦がとにかく可笑しかった。そして、「マエタカとタカタカの戦い」は近隣の女子高まで巻き込むようになり、いつしかこうした学校の対抗合戦話が金曜パックの名物になっていった。
私がいつ頃まで深夜放送を夢中になって聞いていたか憶えていないが、出版業界で仕事をするようになり、深夜にラジオからナチチャコの声が聞こえてきたときは、驚嘆せざるをえなかった。
野沢那智さん、ありがとうございました。
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