今回の三陸(釜石市、大槌町、山田町)訪問では多くの人と話をする機会があったが、そのなかでもっとも話題になったのが今後作られる海岸堤防(防波堤)の高さ。
これは地域や集落によっても違うが、今後三陸のほとんどのところで高さ10メートル以上の堤防が作られる。しかし、その堤防の高さに疑問を抱いている人が意外に多かった。例えば、大槌町では14.5メートルの防波堤の建設が予定されている(町はもっと高い防波堤を要望している)。これだけ高い防波堤を作れば、ある程度津波の被害を防げると思う。しかし、これだけ高い防波堤を作ると、町から海を望むことはできなくなる。こうなると、海に慣れ親しむこともなくなるだろうし、また海は危険なものであるという意識も希薄になる可能性が高い。
先日、陸前高田では今回の津波が到達したところに桜の木を植えて、記憶だけでなく記録として津波の恐さを伝承していくことを行った。同じように他の自治体も今回の津波の記録をなんらかの形で残すべきであろう。それは震災資料館もしくはメモリアルなどのような形でもいいが、もっと普段から人目に触れるような形で残すべきではないだろうか。例えば、防波堤のそばに今回の記録や教訓をレリーフにしておくとか、津波が到達した地点に何か目立つものを設置するとかするべきである。また、避難経路に関しても、大きく解りやすい誘導標識の設置が望まれる。
いずれにしろ、堤防が高ければいいという問題ではないようだ。
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