水曜日, 6月 24, 2015

映画『海街diary』を観る

なんか最近は漫画原作の映画ばかり観ている。先日観た『百日紅』は杉浦日向子の原作、その前に観た『マエストロ』もさそうあきらの原作だった。そして、今回の『海街diary』も吉田秋生の漫画原作である。次に観る映画は漫画原作でないものしよう。(苦笑)

お話は、家族を捨てた父と再婚して家を去った母をもつ三姉妹が、腹違いの妹をひきとり、鎌倉で静かに暮らすというもの。これといって大きな事件や出来事があるわけでないが、4人の日常の生き様、恋愛模様なとをサラッと描いている。是枝裕和の脚本、演出、カメラワークはどれも見事。また、それを盛り立てる音楽(菅野よう子)も秀逸 。

しっかり者の長女を演じる綾瀬はるか、奔放娘の次女を演じる長沢まさみ、素っ頓狂な三女の夏帆、そして、センシティブな四女の広瀬すず。これといって凄い演技を魅せるわけでないが、淡々とした映画の流れのなかに溶け込む自然体の演技が鮮やかで誰もが好演。

そして、この映画で特筆すべきは回顧シーンや妄想シーンがいっさいないことだ。死んだ人は登場しない。子役が登場するシーンもない。妄想や空想シーンもまったくない。あくまでも現実だけで物語を展開していく。それゆえに、観客にイマジネーションを湧き起こさせ、生きる大切さや勇気を与えてくれる。

どことなく小津安二郎や山田洋次の映画を観ているような気持ちにもさせるが、これが日本映画のひとつの潮流であることを実感させられる。

観て損はない。というか、できれば観てほしい。私はチャンスがあれば原作も読んでみようと思う。

海街diary
http://umimachi.gaga.ne.jp/

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