・まずは食前のお愉しみを(アミューズ)(写真①)
・ノルウェー産サーモンのコンフィ(写真②)
フヌイクリームと鶉のポーチドエッグ
・オマール海老の冷製コンソメ(写真③)
雲丹風味のクリームとキャビアを添えて
・あいなめのポワレ オニオンフライとチョリソのせ(写真④)
エマルジョンにしたジュを添えて
・シャラン鴨胸肉のロティ オレンジ添え(写真⑤)
コクのあるジュのガストリック
・※フランス産熟成チーズ(写真⑥)
(36ヶ月熟成のコンテ)
・アヴァンデセール(写真⑦)
・果物のジュビレ バニラアイスクリーム添え(写真⑧)
・※誕生日ケーキ(写真⑨)
(ショートケーキ)
・飲み物と小菓子(写真⑩)
最初に出てきたアミューズからして手が込んでいて美味しい。アスピックのなかにはいろいろな野菜やハムなどが散りばめられている。
前菜はノルウェー産サーモンのコンフィ。脂っぽさを少し残しつつも舌触りは爽やかで、その味は海の幸というか川の幸という感じ。加えて、添えてある赤いグレープフルーツと一緒に食べると酸味が加わり、また違った爽やかな味わい。それにても、鶉のポーチドエッグ、半熟卵というか落とし卵、いい味をアシストしている。
スープというかポタージュはオマール海老の冷製コンソメ。オークラ伝統のダブルコンソメと言われる濃厚にして深みのある味わい。まるで海の底に潜るような果てしない味わいが楽しめる。こんな冷製コンソメは食べたことがない。これだと雲丹もキャビアも本当に単なる添え物でしかないというぐらい美味しい。これを食べただけで、コース料理はまだ半ばにもかかわらず満足感がいっぱいになるほどだ。ブラボー!
メインの魚料理はあいなめのポワレ。上品な味というか格調が高い味わい。オニオンフライのサクサク感と混じりあい華麗なハーモニーを奏でる。単純にして複雑な料理だ。
メインの肉料理はシャラン鴨胸肉のロティ。一羽の胸肉を二人でいただくという豪華というかボリュームだ。肉はほどよく引き締まっていて歯応えも十分で、食感もジビエっぽく私好み。ガストリック(砂糖とお酢)のソースとの相性も抜群で、150gぐらいはあるお肉をペロリといってしまった。
アヴァンデセールとは軽いデザートという意味だが、出て来たのは軽いどころかアンビリーバブルなデザート。器なかにはマンゴ・プリン、ココナッツ・スープ、りんごのチップのフランボー、ココナッツのエスプーマ、チェリー、バラ、飴細工などがデコレーションされていて、これがなんで軽いデザートと思わんがり。チーフ・パティシエ渾身の一品なのかもしれない。同行者は「これだけをまた食べに来たい」と言うぐらいのハイテンションな喜びよう。それにしても、このデザートに名前はあるんだろうか。間違っても単なるアヴァンデセールではない。赤いバラが添えてあったから「灼熱の恋」とか「ジュテーム」とか言う名前なのだろうか・・・。
メインのデザートはベルエポック伝統の作り方による、テーブル席の前でリキュールに青い炎が灯って出来上がる白桃のジュビレ。アイスクリームと白桃、そしてリキュールの香りが混じり合い、とてもリッチな気分にさせてくれる。もちろん味もリッチだ。
ベルエポックは日本のフランス料理の礎を築いたレストランであり、間違いなく最高峰のフレンチのひとつである。料理もサービスもそして雰囲気も非の打ち所がない。ところが、そんなベルエポックもオークラの改装に伴い、この6月をもって一旦閉鎖される。そして9月半ばより再開されるのだが、そのときは場所を移動することになり、味は変わることはないが、今のような雰囲気を楽しむことはできなくなってしまう。誠に残念でならない。そんな“ラスト”「ラ・ベル・エポック」で素晴らしい誕生日祝の食事をさせていただいたことに大変感謝している。Merci beaucoup.
ラ・ベル・エポック (フレンチ / 神谷町駅、六本木一丁目駅、虎ノ門駅)
夜総合点★★★★★ 5.0
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