水曜日, 6月 01, 2022

春風亭一蔵「番頭発、真打行き」@お江戸日本橋亭

昨日(31日)はお江戸日本橋亭開かれた「春風亭一蔵『番頭発、真打行き』」を聞きに行ってきた。この企画は蝶花楼桃花が自身の披露興行の番頭を務めてくれた春風亭一蔵を労うもので、「春の番頭をねぎらい秋の真打昇進を応援する会」という副題がついている。なお、出演者と演目は下記の通り。

春風亭てるちゃん 「元犬」
春風亭一蔵    「新聞記事」
蝶花楼桃花    「所沢パラダイス」
          三味線(かっぽれetc)
 〜 仲入り 〜
~トーク~    「番頭発、真打行き」
春風亭一蔵    「小言幸兵衛」

春風亭てるちゃんは春風亭小朝の末弟弟子で5月に前座になったばかり。ということで、噺は押して知るべしだが、後半になって場慣れしたのか少しエンジンがかかっていた。

新聞記事は泥棒に入った家(天ぷら屋)がすぐに捕まった。「入った家が天ぷら屋だけにすぐ揚げられる」とネタを知った八五郎はそれを言いたくて先輩の家を訪ねるという噺。春風亭一蔵は趣味の競艇や落語家の裏話を織り交ぜながら話を軽快に進めていく。一蔵はこういう与太噺というかおバカ噺は本当に上手い。

高座に見台が登場。蝶花楼桃花は講談でも行うのかと思ったら、この見台をバーカウンターに見立てて「所沢パラダイス」というアラサーの時に作ったというアラフォーとバーテンとの取り止めのない噺。これ、ネタをもっと熟成させていけば、桃花の代表作になっていくのではないだろうか。

新作のあとは三味線で「おてもやん」「かっぽれ」などを披露。三味線の腕前はまあごく普通だが、歌声は実にいい。声質も声量も申し分ない。柳家小菊師匠などに徹底的に習ったら、もっともっと上手くなるのではないだろうか。

トークは蝶花楼桃花の真打興行の大初日に、番頭である一蔵はこともあろうか競艇で大儲けしたという話に終始する。(笑)

一蔵の「小言幸兵衛」は先日聞いたばかりだが、彼は完全にこの噺を掌中にした。是非とも十八番にしてもらいたい。

それにしても、5代目春風亭柳朝一門の勢いは素晴らしい。春風亭柳枝、蝶花楼桃花、そして春風亭一蔵と相次いで有望な真打が誕生している。同門の橘家、林家もがんばれ!



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