児童擁護施設などに「タイガーマスク」の主人公・伊達直人などを名乗りランドセルなどをプレゼントする現象(運動)が全国展開になっている。
そこで、タイガーマスク現象の根底は何かを少し考えてみた。
「タイガーマスク」は1968年1月号から1971年53号まで、『ぼくら』や『週刊少年マガジン』に連載された梶原一騎原作、辻なおき作画のマンガである。そして、このマンガは連載と同時期である1969年10月2日から1971年9月30日まで、日本テレビ系でアニメとしても放送された。主人公・タイガーマスク(伊達直人)は孤児院出身のプロレスラーである。
残念ながら私は「タイガーマスク」のマンガもアニメも観たことがない。それゆえに、伊達直人という主人公の名を知らなかった。というのも、私は1968年から1971年はすでに中学生・高校生になっていて、マンガを卒業していた。つまり、当時の時代背景を考えると「タイガーマスク」に夢中になった世代は、私より少し下の現在は50歳前後の人たちで、おそらく最初に前橋の児童擁護施設にランドセルをプレゼントした人はこの年代の人に違いない。そして、この人は児童擁護施設出身者もしくは関係者(奥さんが出身とか)で、現在はある程度社会的地位をえた人で、恩返しのつもりで送ったのではないだろうか。
このタイガーマスクがマスコミに取り上げられたことによって、各地にタイガーマスクが次々登場して社会現象となった。これは経済的に余裕ができたタイガーマスク世代が、相次いで寄付行為をしていった結果なのかもしれない。それと、時代背景に子供手当のことがあるのではないかと思われる。
児童擁護施設にあずけられている子供に対して、どのような形で子供手当が支給されているのか知らないが、それに対しての疑問があったのかもしれない。両親のどちからが生きていれば子供手当は支給されるが、はたしてその手当が実際に子供に届いているかどうかは疑問である。そして、両親がいない子供には子供手当が支給されているのだろうか・・・。
現在は報道を観て感銘をうけて「タイガーマスク現象」に参加している人が多いようだが、これはちょっと危険な感じがする。というのも、確かに寄付行為や募金行為が「タイガーマスク世代」などに伝わっていくのはいいことである。しかし、マスコミに取り上げられなければ行わないというのもおかしな話である。世の中には児童擁護施設だけでなく、まだまだお金に困っているところはいっぱいあるのだ。「タイガーマスク現象」に便乗して、マスコミに取り上げらたく勝手な名前をつける輩もいないだろうか。
そして、今回の「タイガーマスク現象」で懸念されるのが、「タイガーマスク募金」とかいって街頭募金を始めるヤツが出たり、詐欺行為をするヤツが現れることである。マスコミは多分にパフォーマンス的な「タイガーマスク現象」の報道は止めるべきである。
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