月曜日, 1月 17, 2011

「おまわりさん」はどこからやって来たか

今日、おまわりさんといえば警察官のことである。ただ、その語源がどこから来たかを知る人は少ない。一般的にはおまわりさんとは、江戸町奉行所の町方同心の定廻り、臨時廻り、隠密廻りなどに由来していると言われているが、一概にそうとはいい切れない。というのも、こうした町方同心に対して一般庶民が尊敬や親しみの念をこめて「おまわりさん」と言ったかどうかは疑問がある。

実際に「おまわりさん」という言葉が明らかに使われるようになったのは江戸末期からと思われる。江戸末期、京都市中を取り締まっていたのは、誰もが知っている会津藩お預かりの「新撰組」。一方、江戸市中を取り締まっていたのは、今の人はその名をほとんど知らない庄内藩お預かりの「新徴組」であった。その「新徴組」を江戸庶民は下記のように歌った。

♪酒井左衛門様お国はどこよ
出羽の庄内鶴ヶ岡
酒井なければお江戸は立たぬ
御回りさんには泣く子も黙る

新徴組は組長である肝煎を別にして、5人で1隊、5隊で1組(計26人)、計6組の組織だった。そして、そのうちの2組が毎日江戸府内(新宿、板橋、千住などを含む約10里)を巡回して歩き、不逞な武士などを取り締まり、上記のような歌や「カタバミはウワバミより怖い」(カタバミは酒井家の家紋)と江戸庶民から言われていた。

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