行きつけの指圧マッサージ店のおばさんが、久しぶりに薮から棒に「就職率が60何パーセントなんて、学生は仕事選びすぎなんじゃないでしょうか」と聞いてきた。
「私もそう思いますよ」
「中小企業とか求人しているのに、みんな大企業ばかりに・・・」
と言いながら、おばさんの肘や指先が例によって背中の張っている個所に容赦なく圧力をかけていく。
「私なんか、50人以上の会社にいたことなんかありませんよ、ウウウ〜」
「世間には200〜300人以下でも優秀な会社いっぱいありますよね」
「あります、あります。製造業なんかいっぱいあります」
「丁稚奉公で叩き上げた会社だってありますよね」
「あります、あります。おばさん、良いこといいますね、フウウ〜」
「なんで、みんな大企業とか公務員になりたがるんでしょうかね」
「安定しているというか、体面じゃないんですか」
「タイメン?」
「世間に対する体裁というか、メンツですね、ウヒィェ〜」
「そんなことどうでもいいじゃないですか!」
「どうでもいいですね、ウウ・・・」
「日本は中小企業の活力でここまで成長したんじゃないですか!」
「おっしゃる通りです」
「昔は職業選択の自由なんて、言ってられなかったんです。とにかく汗水たらして働いたんですよ。それなのに今の若い人たちは仕事選びすぎですよ」
「本当ですね。だから、フリーターとかブータローが増えるんです」
「これじゃ、お先真っ暗です。私はいくつまで働かなきゃならないんでしょうかねぇ」
「いくつまでも、お好きなときまで働いてください、ウウウ〜」
「それまで、小松さんもお客さんで来てくださいね」
「はい、はい、ウウウウウ・・・」
最後はおばさんの営業の言葉に誘いこまれてしまったが、年配で仕事をしている人からすれば、若者は仕事を選び過ぎと思うのは当然のことであろう。
マッサージのおばさんとヤマハ音楽教室
http://k21komatsu.blogspot.com/2009/11/blog-post_14.html
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