昨日広島高等裁判所で、昨年12月の衆議院選挙での広島1区・2区の選挙を無効とするという、初の「選挙無効」という判決がでた。そして、今日も広島高裁岡山支部で岡山2区の選挙を違憲で無効とする判決がでた。これまで一票の格差是正について書き続けてきた私としては嬉しい限りだ。しかし、判決は所詮判決でしかなく、問題はこの判決をどう立法府である国会が受けとめるかだ。
現在の自民党・公明党政権は衆議院で「0増5減」・比例区で定数30削減という政策を言っているだけで根本的な解決策を何も提案していない。そもそも自民党は3年前の2010年7月の参院選で「衆参両院の国会議員定数を3年後に722人から650人の1割削減、6年後には500人に3割削減」と公約を掲げた。つまり、本来ならば今年中に最低でも72人の削減なのに、半分の衆院35人の削減しか言っていない。となると、自民党は参院で37人の定数削減をするのだろうか。そして、3年後に残り150人を削る覚悟はあるのだろうか。
もちろん、答えは否であろう。いかに政党の公約が口先だけのものかを物語っている。彼らは「身を削る、身を削る」とこれまでに口にしてはきたがその実績はまったくない。0増5減にしても瞞しでしかない。以前にも書いたが0増5減にしたところで、2009年総選挙時にあった最大2.337倍(現在だと2.4倍以上になる)格差が、1.8倍程度にしか抑えることができず、これでは違憲状態、いや違憲であることに変わりがなく、今後も「違憲選挙」は続くことになる。1票の格差は衆議院で1.2倍以内、参議院で1.5倍以内が理想である。これは理想であり現実的ではないかもしれない。ただし、最低でも衆院は1.5倍以内、参院は2倍以内にするべきである。
そのためにも、現政権は早急に選挙制度改革をしなければならない。それにしても、自浄能力もない国会も国会だが、その自浄能力を求めなかったり、批判しないマスコミもマスコミである。
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