火曜日, 12月 29, 2015

『あさが来た』の名セリフ

大久保利通の本当の言葉かどうかは知らないが、先週の朝ドラ『あさが来た』での大久保利通(柏原収史)の2つのセリフが印象的だった。

「(新しい日本について)外国に負けない強い国じゃ。かといって、力でねじ伏せるわけではない。本当に強いものはそんなことはしないものじゃ。戦さは破壊するだけのもので、もうこりごりじゃ」

「その道(女性を育てること)を作ることの中に、この国を戦いなくして強くする方法が隠されているのかもしれないのぉ」

最近の朝ドラは気のきいたセリフがほとんどないが、今回の『あさが来た』は結構いいセリフが多い。何週か前の新次郎のセリフは素晴らしかった。
 
「相手負かしたろうと、武器持つやろ。そしたら、相手はそれに負けんようにもっと強い武器を持って。そしたら、こっちはもっともっと強い武器を持って、と。これは太古の昔からアホな男の考えることや」

何処かのアホな男に聞かせてやりたい。

月曜日, 12月 28, 2015

長州嫌い

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』を一度も観なかった。それは吉田松蔭、高杉晋作、久坂玄瑞など長州藩士たちを賞賛することが目に見えていたからである。よくもまあ、安倍晋三のゴリ押しドラマを1年もやったものである。受信料を返せ!とまでは言わないが、二度と長州藩を題材にした大河ドラマを作るなよ、NHK!と言いたい。

長州嫌いである。子供の頃は大河ドラマや偉人伝書籍などの影響で桂小五郎とかは好きだった。しかし、高校に入って幕末の書物を本格的に読み漁るうちに、明治維新が革命ではなくクーデターでしかなく、そのクーデターも謀略や調略によって成されたということを知るようになっていくと、段々長州が嫌いになっていった。

そして、大人になってからは戊辰戦争での長州藩の会津での悪烈非道ぶりや、明治以降の井上馨、山縣有朋、品川弥二郎らによる賄賂政治など、今日の政治まで悪影響を与えていることを知るとますます長州嫌いになった。加えて、日清日露戦争を始め太平洋戦争に至るまでの陸軍で長州閥が幅をきかせていたことなどから益々長州嫌いになった。

いずれにしろ、井上や山縣などの悪事を描くことをドラマ化することはできない。なぜならば、彼らには子孫がいて、もしそのようなドラマが出来たら名誉毀損で訴える可能性があるからである。その点、若くして亡くなった松陰や高杉は直系の子孫がいない。

死んだ人間を美化するのは容易い。そして、日本人はそれを受け入れやすい。つまり『花燃ゆ』は受信料を使った壮大な長州プロパガンダ番組であったのだろう。

水曜日, 12月 23, 2015

新国立競技場問題はまだ終わっていない

新国立競技場の建設案がいわゆる「A案」に決まった。正直、予想通りの結果となった。大成建設と安倍晋三および麻生太郎の関係、また菅義偉の息子が大成建設にいるらしいことなどから、当初からA案が政治的に有利だと言われていた。

まあそれはさて置き、A案が支持された最大の理由は、コストおよび工期がA案の方がB案より安価もしくは短縮になる可能性が高いという理由だった。しかし、その理由および根拠は全く示されていない。なんともおかしな話である。

こうなると、物見遊山的ではあるが、工期がちゃんと守れるか、予算はしっかり守れるか、維持管理は安価に出来るか、8万人収容に改築するときの工費はいくらかかるのかなどが、楽しみでならない。もし、こうしたことがちゃんと守れないおよび膨大な経費がかかるようでは、今回の答申は茶番であったいう以外にない。

それよりも、当初の建設計画だったザハ・ハディド側がA案は似ているとクレームを言ってきている。まあ当然だろうが、これが訴訟問題にでもなればまた一悶着である。しかし、そうしないように裏取引されるのではないのだろうか。そのお金はいくらかかるのだろうか。またそれを暴くマスコミはあるのだろうか。

それにしても、財源が組織委員会の見込み(試算)と違い、1兆円の財源不足と明かしているという東京オリンピックである。もう何もかもが「まやかし」というより「詐欺」のような世界である。今後も東京オリンピックの動きを注視していきたい。

土曜日, 12月 12, 2015

選挙のための政治、増税のための政治

先日アベ政権は低所得年金受給者約1250万人に対して3万円を配るという「臨時給付金」政策を決めた。バラマキである。このお金は経費を含めて総額約3900億円になる。しかしながら、それに見合う経済効果がどれだけあるかは全く分かっていない。

続いて、アベ政権は公明党が求めていた食料品などに対する軽減税率を認め、これによって約1兆円余の収入減となる。これもどれほどの経済効果を生み出すかは疑問である。

そして、これらの政策はどちらもアベ自民党の選挙対策であることは言うまでもない。

3万円のバラマキは選挙によく行く高齢者層に対する配慮。つまり、参議院選挙の買収工作である。軽減税率は公明党への選挙協力費である。今の自民党は公明党の選挙協力なしに選挙には勝てないからだ。

ということで、自民党の選挙対策費として1兆4000億円以上の税金が勝手に動かされるのである。そして、この穴埋めはどこでなされるかといえば、選挙後の増税である。自民党内ではタバコ増税などと言っているが、こんなのは単なる見せかけもしくは体裁でしかない。本筋は2〜3年以内に消費税を13%、15%に段階的に引き上げていくという政策を打ち出すことであろう。つまり、今回の自民党と公明党の合意は裏で大増税への確認でもあったのだ。

それにしても、3万円の「臨時給付金」だの、食料品の「軽減税率」だの、恩きせがましい政策を次々と出すものである。全く国民を愚弄している茶番政権である。私は来年7月の参議院選挙で自民党および公明党候補者が結果的に「削除」されることを切に願っている。

木曜日, 12月 10, 2015

春風亭正太郎@チェロキー寄席

昨日(9日)は地元・学芸大学の「Cherokee LIVE TAVERN」で開かれた第3回「チェロキー寄席」を聞く。出演は春風亭正太郎。

目黒区は意外なことに落語家が多く住んでいる。その真意というか理由はよく解らないが、古くは桂小金治が住んでいたり、漫才ではあるがコロンビア・トップ(長男は中学の同級生)がいたりと、演芸関係の人は目黒区に多い。と同時に不思議なことに目黒区出身の落語家も多かったりする。柳家小ゑん、柳家小傳次、紙切りの林家正楽。そして、私が注目している春風亭正太郎(二つ目)もその一人である。

正太郎は2006年4月に春風亭正朝に入門。2009年11月に二ツ目になった落語家である。そして、今年に入ってからその実力をどんどん発揮。まず4月に若手落語家の登竜門ともいうべき第14回さがみはら若手落語家選手権で優勝。そして9月には過去に林家たい平、古今亭菊之丞、柳家三三などの優勝者を輩出した北とぴあ若手落語家競演会(第26回)でも優勝と、破竹の勢いである。

まず1席は滑稽噺の「時そば」。マクラは千葉県富里での学校落語で出会った子供たちとの話。そして、そこから本題に入っていく流れがスムーズ。そばを食べる様も巧妙で客席の女性から「おいしいそう」の声も上がる。落語家ならば誰もがやる有名な演目だが、これまで聞いた中でも秀逸な出来で、最後は誰もが爆笑だった。

2席は人情噺の「子は鎹」。これは「子別れ」という上中下の3部作からなる長い落語の「下」部分の話。それゆえに、枕はほとんどなく本題に入り、前振りでは「上」「中」のあらすじを一気に機械的に伝える。そして「下」の本題に入り、息子の亀が登場するとイキイキする。1席の枕で子供たちを演じた時と同じように、正太郎は子供を演じるのが上手い。少し褒めすぎかもしれないが、その上手さは往年の三遊亭金馬や三遊亭圓歌を彷彿させる。

春風亭正太郎の実力はすでに二ツ目ではなく真打と同等であることを立証した2席だった。できれば女を演じるときは滑稽さとは別にほんの少し女の性というものを醸し出して、今後も古典落語の真髄を極めるべく精進してもらいたい。地元のよしみで今後も彼の活躍に注目していこうと思う。

都電6系統の駅名

ご存知の方も多いと思うが、山手線内を走る都バスは以前都電の路線だったところが多い。その代表的な路線が渋谷〜六本木〜新橋を走る都01系統である。

現在の都01系統は渋谷から六本木通り(上が高速3号線)を溜池まで直進して新橋までいくが、以前の都電6系統(1967年12月廃止)は渋谷を出ると宮益坂を上り、それから青山通りに入り南青山5丁目を右折して高樹町まで進んだ。そして、そこから六本木通りを走り、溜池経由で新橋まで行っていた。

で、現在のバス停の名前と都電の停車駅の違いである

渋谷駅前      渋谷    
渋谷2丁目     (青山車庫前)
青山学院前        ↓
南青山六丁目    (青山六丁目)
渋谷三丁目        ↓
青山学院中等部前  (青山南町)
南青山七丁目    高樹町   
西麻布       霞町    
EXシアター前   材木町
六本木駅前     六本木   
六本木四丁目    今井町   
赤坂アークヒルズ前 福吉町   
溜池        溜池
虎ノ門       虎ノ門
          南佐久間町 
西新橋一丁目    田村町
新橋駅北口     新橋駅
新橋駅前

渋谷から高樹町までは路線が違うのでバス停と停車駅の名前の比較はできないが、高樹町から新橋までの違いは、江戸と東京の違いというか、明治と平成の違いの感がある。やはり、古い地名はもう少し残しておいて欲しかった・・・。

都電6系統路線図
http://railway.chi-zu.net/2096.html

木曜日, 12月 03, 2015

なぜゴルフをしないのですか

最近なぜか「スポーツに精通しているのに、どうしてゴルフをしないのですか」と聞かれる。

まず初めにスポーツに精通しているといっても、私が精通というかよく観ているのは主に団体競技ばかりで、個人競技に関してはテニスと相撲以外はあまり見ない。ゴルフにしても他に観るものがない時に観るぐらいで、積極的に観たいとは思わない。

それでは、なぜゆえにゴルフをしないのかといえば、理由は幾つかある。まず第一にアメリカにいた時に、知人たちにいきなりアップダウンの激しい山岳コースへ連れて行かれ「なんて面倒なスポーツなんだ」というトラウマができてしまったからである。

次にゴルフは仕事に全く関係がなかった。出版業界でゴルフをするのは営業マンぐらいで、編集者たちはまずゴルフをすることがない。というより、出版界にゴルフ好きという人はほとんどいないし、不規則な生活をしている者がゴルフをするなどという環境に全くなかった。

第三に会社社長をしていた伯父が大変なゴルフ好きで、おそらくそのせいで亡くなっている。ゴルフ場で亡くなったわけではないが・・・。周知のことかもしれないが、ゴルフ場で気分を悪くする人は非常に多い。ゴルフ場は救急車やドクターヘリの出動回数が多い場である。なぜならば、ゴルフというものは数人でプレイするが「自分が休むと他のメンバーに悪い」とかいって、体調が悪いにもかかわらず無理をしてプレイする人が多いからだ。

他にも早起きが嫌いだからとか、30代後半にして老眼になってしまったとか、交際範囲が狭くなるとか、土日は競馬に興じたいとか、いろいろな理由が私にはある。

ということで、ゴルフは私には縁がないスポーツである。