先日、野茂英雄が現役引退を表明した。
近鉄バッファローズで活躍した野茂英雄は1995年にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ。この前年、メジャーリーグでは大きなストライキが行われ、この年も開幕戦が1ケ月も遅れた。このことから、野茂英雄が初めてメジャーのマウンドに立ったのは5月2日の対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦で、場所はサンフランシスコのキャンドルスティック・パークだった。
そして、6月2日の7度目の登板で野茂は初勝利をあげ、それから、野茂の快進撃が始まった。投げては勝ち、投げては勝ちと連戦連勝になり、いてもいられなくなった私はその勇姿を見たいと思い、急遽ロサンゼルスまで行ってしまった。
1995年6月24日、私はドジャー・スタジアム1塁側スタンドでいた。トロネード投法から繰り出す速球とフォークボールは冴え渡り、野茂は9回13奪三振を奪い、完封勝利を得た。試合中、私は周囲のドジャース・ファンから、野茂についてあれこれ質問され、できる限りのことを答えた。アマチュア時代にすでに日本代表(アメリカでは大学のオール・アメリカンに匹敵する)だったこと、ドラフトで史上最多の8球団から同時指名を受けたこと、新人の年に最多勝をはじめありとあらゆる賞を獲得したこと、などなど知る限りのことを話した。
野茂はこの6月の活躍が評価されて、オールスターにも選ばれ先発登板する栄誉をえた。この年、野茂は13勝6敗でナショナル・リーグ新人王を獲得した。そして、翌年にはノーヒットノーランを達成した。2001年にはアメリカン・リーグのボストン・レッドソックスでもノーヒットノーランを達成ししているので、彼は両リーグでノーヒッターを成し得た。このような投手は野茂を含めて4人しかいない。
野茂が最後にメジャーに登板したのは今年の4月10日でカンザスシティ・ロイヤルズの一員としてであった。その登板は2005年7月15日以来でなんと1000日ぶりだった。
野茂英雄よ、夢と感動をありがとう。
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