名古屋というと、可哀想なことに、言葉がおかしいとか、文化がないとか、食べ物が美味しくないとか、美人が少ないとか、とかく馬鹿にされたり、揶揄されたりしてきた。加えて、名古屋にはこれといった観光名所や自慢できるものがほとんどない。
そんな名古屋でお城騒動が起きている。というのも、名古屋の河村たかし市長が先日(10日)の定例記者会見で、名古屋城天守閣を現在のコンクリート製から木造に建て直すことを検討していると発表した、からである。
名古屋市は名古屋城の本丸御殿(注:天守閣ではない)再建計画を進めていた。これに対して、河村市長は市長選でこの事業見直しを訴えていた。しかしながら、公開討論会の意向をくんで、事業を継続することを表明。そして、今度はそれをさらに進めるかのような、天守閣の再建計画である。
名古屋城は1945年の空襲で天守閣や本丸御殿などが焼失したが、それまで建造物や障壁画は国宝に指定され、市民からも親しまれていた。そして、1959年に市民や地元商店街の尽力により天守閣だけが再建された。
それにしても、この木造による天守閣再建計画は面白いような気がする。もともとのお城の図面や写真は戦災を免れて残っているようなので、ほぼ完璧な復元が可能らしい。そして、木造建築で再建すれば、お城は時間と共に江戸時代の趣になっていき、文化財としての価値も高まったいくであろう。
私はこれまでに全国の数多くのお城に行ったが、名古屋城や大坂城のようなコンクリート建築のお城は味気ない。最近は白石城(宮城県)や掛川城(静岡県)のように木造による再建も行われ、観光に一役かっている。「尾張名古屋は城でもつ」と言われるようなりっぱな木造による再建をして、往時の姿を見せてもらいたいものである。
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