今回の総選挙は各マスコミの予想通り、民主党が300議席を上回り圧勝であった。自民党は100議席を上回ったものの惨敗である。そんな総選挙で顕著なことが鮮明になった。それは自民党は明治政府を作った薩長土「肥」では強かった、ということである。
なかでも高知県と福井県ではすべての小選挙区で、小差ながらも自民党議員が勝利した。高知県はもちろん薩長土肥の「土」である。そして、福井県は薩長土肥には入らないものの、松平慶永が藩主だった越前であり、ここも明治政府を作った基盤の藩であり、数多くの要人を輩出している。
薩長土肥の本家本元である薩長でもやはり自民党は強かった。薩摩は鹿児島1区こそ民主党が議席を獲得したが、薩摩に隣接する宮崎や熊本の選挙区も自民党が勝った。長州は山口県ばかりでなく、広島を除く中国地方で自民党が薩長土肥の牙城を守った。
そんななかで、肥前(佐賀県と長崎県)では民主党の圧勝であった。これは肥前藩が明治政府を作ったにもかかわらず、江藤新平や大隈重信といった人物たちが薩長政府とは一線を画して明治政府と対峙したからであろう。
このように薩長土「肥」で自民党が勝ったということは、それだけ薩長土「肥」の人々が明治政府をいまだに信じていることであり、それは自民党がそれだけこれまでにこれらの土地に公共事業をはじめとしたお金をばらまいていたという証しなのではないだろうか。
民主党がいくら「140年の官僚政治に終止符を打つ」と言っても、現実には明治政府の亡霊はまだ生き残っている。
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