これは雨天中止により日程が進まないとセリーグが主張してきたことに、パリーグが譲歩した結果のようである。しかし、ことの真相はそんな表面上のことではないことはプロ野球をよく知る者ならが誰もが解っている。
そもそも、雨天中止で日程が進まないという理由がおかしい。確かにパリーグは札幌ドーム、西武ドーム、大阪ドーム、福岡ドームと4つのドーム球場をもち、日程が進みやすい。一方、セリーグは東京ドームと名古屋ドームの2カ所しかないから日程が進みにくい。
しかしである。ならば、交流戦のときは阪神はなるべく大阪ドームを使うとか、ヤクルトや横浜は西武ドームや東京ドームを使うなどのやりくりができるはずである。また、ドーム以外の球場での試合は開始時間をなるべくデーゲームにして、もし昼間に雨が降ったとしても、試合時間をずらして夜にするなど臨機応変の対応をとればいい。あと、メジャーリーグの球場やウインブルドンのようにグラウンドをシートで覆う設備を整える努力をするべきである。こうすれば、雨天中止の試合は確実に半減するであろう。とにかく日程が進まないという理由は、セリーグの自助努力のない表れである。
では、なぜセリーグは交流戦を減らしたいかといえば、その理由は2つある。まず第一にセリーグがパリーグより弱いというイメージを脱却したいからである。交流戦が2005年に開始してから、セリーグのチームで優勝をしたのは巨人(2012年と今年)だけである。そして、リーグ対戦成績でもセリーグがパリーグに勝ったのは2009年(70勝67敗7分)の1回だけで、あとはすべてパリーグが勝っている。また、今年の広島カープに象徴されるように、交流戦でリーグ戦では快調だったチームが交流戦に入ると、ボロボロになってしまうことがセリーグのチームがこれまでにいくつもあった。
次の理由としては金目(かねめ)ならぬ金銭面にある。つまり、セリーグのチーム(ヤクルト、横浜、中日)は交流戦をやると、観客が入る巨人・阪神および広島(今年から?)戦の試合数が減るからである。
結局のところ強いパリーグに敗けてイメージダウンはするは、お金にならないでは、交流戦はマイナスなのである。ということで、来年から交流戦は中途半端な18試合形式になる。そして、いつの日にか交流戦はなくなるかもしれない。プロ野球ファンの多くは交流戦の存続を望んでいる。メジャーリーグの実態を知るようになったファンは、たった6チームだけのリーグ戦だけでは面白くないことを解っているからだ。
自助努力がなく、金目に走るセリーグの身勝手さには本当に呆れ返るばかりである。
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