柳家喬太郎が「落語家生活30周年記念落語会 ザ・きょんスズ30」と題して下北沢ザ・スズナリで1ヶ月の公演を行っている。前売券は発売と同時に瞬殺で、私はかろうじて昨日の1公演のチケットを手に入れることができた。
喬太郎がなぜスズナリで公演を行うのかと思う人も多いかもしれないが、彼は挨拶文の中で「つーか、ただ、いいきっかけだから、大好きなスズナリで、大好きな落語を喋りたかっただけなんだよ!」と書いている。おそらく彼は若い頃にそしていい歳になってもスズナリに通っていたに違いない。その昔何度もスズナリで芝居を作った側の者としては嬉しい限り。どんな劇団の芝居を観ていたのだろうか。ちょっと気になる。w
私が下北沢およびスズナリに行くのは何年ぶりだろうか。駅は変わり街も大きく変わってしまったが、スズナリは昔ながらの佇まいで、何も変わっていなかった。もちろん劇場自体にも大きな変化はなかった。
演目は下記の通りだが、開口一番の柳家小んぶ(喬太郎の弟弟子)とゲストの浪曲の玉川奈々福には申し訳ないが、やはり喬太郎が出色だった。
柳家小んぶ 「強情灸」
柳家喬太郎 「ウルトラ仲蔵」
〜 仲入り 〜
玉川奈々福 「慶応太平記より 牧野弥右衛門の駒攻め」
柳家喬太郎 「文七元結」
「ウルトラ仲蔵」は「中村仲蔵」を題材にしたウルトラマンの話。ウルトラの世界と歌舞伎の世界が入り乱れる抱腹絶倒劇。ロビーには円谷プロからもお祝いのウルトラマン人形が届いていて、円谷プロの粋な計らいにも感服。
「文七元結」は古典落語の大ネタ。私も2〜3度聞いたことがあるが、喬太郎の「文七元結」は笑わせるツボ、泣かせるツボを見事までに押さえていて、私も最後は不覚にも目頭が熱くなってしまった。
古典も新作もどちらも超弩級の噺ができる落語家・柳家喬太郎。その稀有な才能は古今東西、往古来今いないのではないだろうか。
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