年末年始は静かでいい。特に夕方以降は本当に静かになる。
自宅は目黒通りに近くにあり、平日は車はひっきりなしに通り、夜になっても救急車や消防車などの緊急車両が何回も通ったりする。日中は家族連れや小さい子供たちが叫ぶ声も聞こえたりする。このような状況だと本を読んでいても、気が散ってしまうことがある。
ところが、年末年始は日中でも車の通りは少ない上、深夜になっても緊急車両もまったくと言いほど走らない。日中も子供たちの叫ぶ声が聞こえない。ましてや、夜は本当に静かで、うるさいのエアコンの音ぐらいである。このような環境になると昼から深夜まで読書をすることができる。
12月中旬から年末年始にかけて次のような本を読んだ。
「葵の残葉」「寄席品川清洲亭」「寄席品川清洲亭 すててこ」「寄席品川清洲亭 づぼらん」「寄席品川清洲亭 かっぽれ」は、先日読んだ「圓朝」を書いた奥山景布子の著。
「葵の残業」は幕府の無茶ぶりや気まぐれに翻弄された徳川家の傍流・美濃高須藩の4兄弟(徳川慶勝、一橋茂栄、松平容保、松平定敬)を描いている。これを読むといかに徳川慶喜の優柔不断さというか無能ぶりがよく分かる。
「寄席品川清洲亭」シリーズはペリーが来航した幕末に大工の棟梁・秀八が品川に80余人しか入らない小さな寄席を開いた物語。寄席に関わる人々の人情話を落語の話と上手く重ね合わせながら軽妙に描いている。
「橋廻り同心・平七郎控え 恋椿」「橋廻り同心・平七郎控え 火の華」は藤原緋紗子の著。北町奉行の特命を受けている橋廻り同心・立花平七郎が橋にまつわる事件を解決していくという捕物帳。現在15巻まで刊行されている。3巻以降も読む予定。
「深尾くれない」「聞き屋与平」「髪結い伊三次捕物余話 竈河岸」は私の大好きな宇江佐真理の著。宇江佐は江戸の庶民を描いた市井小説では群を抜いて上手い作家。宇江佐は60数冊の本を出版しているが、私はそのほとんどを読んできたつもりだが、この3冊は読み逃していた。ただ、宇江佐は2015年に亡くなっていて、もうこれ以上彼女の作品を読めないというのは残念でならない。
ということで、12月中旬から昨日までに10冊の時代小説を読んだ。そして、10日ぐらいまでは静かであると思うので、もう少し読書に精を出したい。
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