水曜日, 1月 26, 2022

通ごのみ 扇辰・白酒二人会

昨日(25日)は日本橋劇場で開かれた「通ごのみ 扇辰・白酒二人会」を聞きに行った。演目と出演者は下記の通り。

桃月庵あられ 「初天神」
桃月庵白酒  「代書や」
入船亭扇辰  「二番煎じ」
 〜 仲入り 〜
入船亭扇辰  「たらちね」
桃月庵白酒  「御慶」

前座の桃月庵あられは桃月庵白酒の3番弟子。大師匠の五街道雲助に「今日は初天神(正月25日に天満様に初参詣すること)だから「初天神」をやるように」と勧められ、やることに。あられはその体型も語り口も師匠に似ている。そして、所作や語り口などの基本がとてもしっかりして、客の懐に入っていくのも巧い。こんな芸達者な前座は久しぶりに見た。

「代書や」は代書屋に履歴書を書きにもらいにきた男と代書屋の掛け合い話。代書屋が男の名前、本籍、住所、出身学校などを聞き出す問答は抱腹絶倒。ちなみに、男の名前は小林盛夫。五代目柳家小さんの本名だった。(笑)袖で聞いていた扇辰師匠が「面白かったですねえ」と大絶賛。

「二番煎じ」は火の用心の夜廻りの合間に番屋で猪鍋を食べていた旦那衆のところに、見回り役人が訪ねて大慌てとなる話。入船亭扇辰は町の寒さや番屋の光景を上手く描写。何人かで鍋を囲んでいる様が目に浮かぶ。また歌声まで入れての大サービス。余りの熱演に汗はダクダク、コンタクトは落とすはで大変だったようである。(笑)

大熱演の「二番煎じ」の後ということで「たらちね」はサラリとまとめる。扇辰ならではのいぶし銀の技を見せてもらった。

「御慶」は富くじに当たって浮かれた八五郎が、大家から聞いた「御慶」(めでたいという意味)「永日」(また会いましょう)という言葉を乱発するという滑稽噺。これが白酒の手にかかると、当然ながら「御慶」は「ギョケーイ〜〜」に「永日」は「エーィジツ」とまるでニワトリとインコの鳴き声のような叫び合い。以前にも書いたかもしれないが、もはや「爆笑王」の称号は柳家権太楼から桃月庵白酒に移ったと言ってもいいと思う。




それにしても、オミクロン株大流行中とはいえ「通ごのみ」というタイトルだけあって、客席(基本ハーフディスタンス)は年配客が多く、若い女性客はほぼ皆無。本来ならば、こうした落語会にこそ、多くの若いお客さんに聞きに行ってほしいものである。

0 件のコメント: