私がずっと疑問を呈していた新国立競技場建設計画が白紙撤回された。まずは喜ばしいことである。しかし、今回の白紙撤回は結局のところ安倍および自民党の政治的戦略でしかないない。
安保法(戦争法)で支持率が急低下中の安倍政権。それゆえに、安倍晋三はついに森喜朗にお願いして新国立競技場建設計画を白紙撤回した。その理由は国民やアスリートからのあまりの不支持の声が大きかったからである。
なかでも元アスリートたち(為末大、有森裕子など)の「負の遺産」でアスリートたちを競技をさせたくないという声が響いた。この声を安倍および自民党は無視することはできなかった。というのも、自民党にとって陸連および体育関係者は自民党の大票田だからである。
正確な数字があるわけではないので、あくまで憶測で申し訳ないが、全国にいる体育教師のおそらく半数近くもしくはそれ以上は陸上競技出身者だと思う(ラグビー出身の体育教師はほとんどいないと思う)。そして、こうした体育教師たちは自民党組織の末端に組み込まれている。
こうした体育教師の多くは安保法のことを理解しているとは思えないが、新国立競技場の建設計画に関してはしっかりと理解している。それゆえに、2520億円かかるだの、実際は3000億円以上かかるといったことは、自分たちの身にも関わる問題であり、反対せざるをえなかった。
それゆえに、安倍および自民党はこうした票田を失いたくないために、今回の白紙撤回を決定せざるをえなかった。結局のところ、新国立競技場建設計画問題は過剰なお金を失いたいのではなく、自分たちの票田を失いたくだけなのである。
今後も新国立競技場建設計画は注視していきたい。
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