私は高校野球をほとんど観ないのですが、この時期になると思い出すことがある。
20年以上前に富山県の新湊(現・射水市)に旅行したときに港近くの寿司へ入った。私が「新湊はお寿司が名物なんですよね」と聞くと、大将は「いや〜、寿司はどこでも食えるからなねえ」と謙遜した。「では、何が名物なんですか」と聞くと、「高校野球かねえ」と言い、それから大将の高校野球話が止まらくなった。(^_^)
新湊にある県立新湊高校は1986年の春の選抜大会で、まったく前評判に上がっていなかったのにベスト4まで勝ち上がった。これは後に「新湊旋風」と言われた。富山県の高校野球のレベルは低く、それまで春夏通じてベスト8が最高であった。ところが、これを機に新湊では高校野球熱が湧き起こり、新湊は和歌山の箕島、徳島の池田と並んで「三大高校野球バカ町」と言われるようになったそうである。
この3つの町はいずれも人口は大きくなく、3校とも県立高校なので野球部も地元っ子の集まりである。それゆえに、オラが町の野球部で、部員には親戚の子供や知り合いの子がいるので、町の親父たちはこぞって支援協力をする。新湊も野球場の除雪を手伝ったり、炊き出しをしたりすると言う。おそらく、箕島や池田も同じであろう。そして、いざ甲子園になると、町がカラッポになるほどの大応援団が甲子園に向かうという。その数バス100台は下らなかったという。
しかし、今の甲子園に出場する高校はほとんどが私立高校で、それも地元っ子ではなく甲子園に行きたい都会っ子の集まりだったりする。これでは、新湊、箕島、池田のような高校は甲子園に行くことはできない。以前も書いたが、今の甲子園は売名高校野球大会であり、大阪出身高校生野球大会になってしまった。
もはや「三大高校野球バカ町」という名称も残念なことに消え去るのみとなってしまった。
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