ということで、開演前のトークは普段は喋らない病人・小辰に代わって骨折中の怪我人・春風亭昇也が5〜6月にある自分の「真打昇進披露公演」チケットを売りたいがために飛ばす飛ばす。これに元怪我人の春風亭一蔵は同調するものの、学生時代ラグビーで元々怪我人だった柳亭市弥はアングリ。(笑)ということで、演目は下記の通り。
三遊亭二之吉 「十徳」
春風亭昇也 「四段目」
片足かっぽれ
柳亭市弥 「うどんや」
〜 仲入り 〜
春風亭一蔵 「火事息子」
三遊亭二之吉は三遊亭吉窓の一番弟子。「十徳」は立てば羽織の如く、座れば衣の如く、という話であるが、これは前座噺としてはかなり難しいと思う。それを二之吉はひょうひょうとしながらも、前座らしく一言一言噛みしめながら進めていく。もちろん荒削りな部分もあるが期待の人かもしれない。
春風亭昇也は怪我人ということなので見台と合曳き(正座用椅子)が高座に置かれる。マクラはこれまた真打昇進公演のチケット売り。四国公演では7枚売れたのだから、今日はもっと売れるに違いない、と。続いて、笑点の裏話。笑点メンバーはあと5人交代候補がいるから、いずれ私がと結構生々しい。ただ、司会が師匠だとなりづらいのではないかと思ってしまう。(笑)本題の「四段目」はそつなく終えた後に、これはサービスという感じで片足かっぽれを踊る。その心意気に私はチケットを買ってしまった。。。w
柳亭市弥のマクラは1週間前に柳家喬太郎と西日本ツアーをした話。何より嬉しかったのが舞台袖で喬太郎の噺を1日3席聞けるということだったと。そして、喬太郎は全公演違う演目をやったというから、15席も聞けたようだ。この話、実は以前に供をした春風亭正太郎(現・柳枝)や柳家小太郎(現・㐂三郎)からも聞いたことがあり、それはそれは嬉しかったに違いない。さて、来年一緒に供をする二つ目は誰であろうかと考えてしまう。で、本題の「うどんや」も喬太郎効果があったのだろう、市弥は普段よりもどっしりと構えて話を進める。もともと飲む仕草や食べる仕草は上手い市弥だが、今回はそれに風情を感じる。旅公演は大いに勉強になったようだ。
春風亭一蔵のマクラは先日の私も聞きにいった独演会にゲストに出てもらった柳家権太楼師匠との後日談。この話、楽屋オチかもしれないが新作落語にできるような話で場内バカ受け。というか、一蔵は自前の新作落語もできるのではないかと思ってしまう。さて本題の「火事息子」は、市弥同様にどっしり構えて一蔵は話を展開していく。この噺、間違いなく師匠(春風亭一朝)に教わったと思われ、江戸っ子気質を噺のなかにうまく散りばめている。これで地語りで江戸情緒を取り混ぜれば文句なしだ。ボートレース一直線だけでなく、落語も一直線で真打になってもらいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿