木曜日, 5月 26, 2022

N響第1958回定期公演Bプログラム(1日目)

昨日はサントリーホールで開かれたN響第1958回定期公演Bプログラム(1日目)を聴きに行った。指揮は先週に続いてファビオ・ルイージ。ピアノは小菅優。演目は下記の通り。

メンデルスゾーン/序曲「静かな海と楽しい航海」作品27
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
※メシアン/前奏曲集から第1曲「鳩」
 〜 休 憩 〜 
リムスキー・コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」作品35
※はアンコール曲

1曲目のメンデルスゾーンの序曲は初めて聴く。これが清麗にして美しい曲。これまで数多くのオペラやバレエの序曲を聴いてきたが、この曲が取り上げられなかったのが不思議なくらい。メデルスゾーンらしいアップダウンのある弦と煌びやかな金管が鳴り響く。隠れた名曲だと思う。オペラに精通しているファビオ・ルイージには今後もこうした曲を紹介してもらいたい。

2曲目。小菅優は円熟期にあるような気がする。語弊があるかもしれないが第2楽章は自分のサガを出すところは思いっきり出し、第1・第3楽章の引っ込めると引っ込めるといった変幻自在の感情的抑揚には感心させられた。そのことによってフランス的なラヴェルというよりエスニック的というか時空を超えたラベルを堪能することができた。

3曲目。「シェエラザード」はアラビアン・ナイトの世界をモチーフに作られた曲だが、ファビオ・ルイージはこれに全く捉われることなく、コンマス篠崎史紀を先頭になんというか日本的というか江戸時代の風情を想像させるような古風な音色を次々と聴かせてくれる。そして、最後は1曲目の序曲と同じように静かに大海に船出するかのような姿をみせてくれる。これまで何度もこの曲を聴いてきたが、こんな印象を与えてくれた指揮者はルイージが初めてである。ルイージ恐るべし、であり、首席指揮者に就任する9月以降がとても楽しみになった。



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