水曜日, 10月 29, 2008

ナベツネは胸中穏やかでないだろう

来年2009年のWBC監督が巨人の原辰徳監督に決まった。

今から一ヶ月ぐらい前に行きつけの寿司屋で私は「WBC監督は王総監督、原監督になるよ」と言ったことがある。いみじくも大筋で当たってしまった。星野仙一がならないだけでもマシだったが、それでも、この結果にナベツネ(渡辺恒雄)は苦笑しているかに違いない。

そもそもナベツネは今年の春頃に、星野を次期巨人監督にすると共に、オリンピックに続いてWBC監督も星野で行く腹づもりでいた。そして、オリンピックで惨敗しても相も変わらず星野に固執していた。ところが、天変地異というか阪神の余りの弱体化によって巨人が棚ぼたでセリーグ優勝してからは、その言動をいっさい控えるようになった。WBC監督に原辰徳の芽が出てきたからである。

ナベツネは現役監督にはずっと反対してきた。それはなぜかといえば、長嶋茂雄、王貞治、星野ときた日本代表監督にパリーグ出身者を据えたくなかったからである。世間的には野村克也、玄人的にはボビー・バレンタインを推す声が強かったが、ナベツネはこれらの声にいっさい耳を傾けなかった。それはパリーグ出身者を監督にすると、巨人およびセリーグの権益に影響をするからである。

しかしながら、今後は原監督にしろナベツネにしろバラ色とは言えない。もしかするとイバラの道かもしれない。まず、巨人はもし日本シリーズに勝った場合、11月中旬に行われるアジア・シリーズに出場することになる。このアジア・シリーズで日本のチームは3連覇をしているので、原巨人は絶対に負けられない。

そして、3月初旬にWBC1次リーグ(アジア予選)で韓国、台湾、中国のそれぞれのオールスターチームと戦って、2位以内を確保しなければサンディエゴで行われる2次リーグ、ロサンゼルスで行われる準決勝・決勝へ進むことはできない。日本はディフェンディング・チャンピオンであるから、少なくともベスト4ぐらいまで行かないと正直格好がつかない。

ナベツネはほくそ笑んでいると同時に、実は原辰徳と心中できるのかと胸中穏やかでないだろう。

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