先日、ボランティアに参加している人に話を聞く機会があったので、そのときの話を掲載します。
ーーボランティアに参加したキッカケは
「当初から自分の目で見たい、知りたいという単純な好奇心があったのですが、ある程度落ち着くまでは行くべきではないと思っていました。実際に一度行ってからは、何をするのが一番いいのだろうかと常に考えるようになりました」
ーーボランティアに参加してみて感じられたことは
「津波の ”痕” は ”凄まじい” の一言です。すべてがなくなった風景も衝撃的ですが、一本の道、1メートルの違いが運命を分けたという事実も強く心に残りました」
「被災の状況も、復旧状態も、テレビを見ているだけでは絶対にわからないと思いますね。7月になってようやく水道が通った、仮設に移ったら水道から出てくる水は飲めなかったなど、現地の方の話を聞いて驚くようなことが、未だにたくさんあります」
ーーいま被災地で求められていると思うものは
「いちばん必要なものは“仕事”なんですよね。仮設に移ったら経済的に自立しなければならないんですが、自宅で食べる野菜は自分の畑で作っていた、魚なんか買ったことがない、という方も多いんです。だから現金収入が途絶えたということ以上に、生活は苦しくなっているんです。いくら暑くても電気代が高いから、クーラーは使えないという声がとても多かったです。被災地はもともと過疎地で仕事がないという地区も多かったので、これは本当に難しい問題だと思います」
「有志のボランティアは、これから何ができるのか、みんなが模索しているところです。例えば、仮設住宅を回る移動販売車でご用聞きをしながらニーズを探ろうとか、買い出しのお手伝いをしようとか、いろいろな話が出てきています」
ーー今後ボランティア活動したいと考えている人へ
「とにかく一度行ってほしいです。行けばどんなところか解るし、気持ちもスッキリすると思います。ボランティアのニーズは場所と時間の経過によって変わっていくと思いますが、まだまだ瓦礫の撤去はありますし、片付け作業はいつまで続くか解りません。また、今後はお話を聞くという “傾聴ボランティア” とかかも必要になるかもしれません。被災を受けた土地でこれからも生活していこうとしている人たちはみんな、自分たちは見捨てられないかという不安があるんです」
ーー行きたくても行けない人への助言があれば
「後方支援、とっても重要です。TwitterやFacebook、ブログなどで情報を伝えたり、人と人とをつなげたりしている人。現地になんども電話をして、必要物資をアマゾンやふんばろう日本のサイトにアップしている人。自分の人脈を活用して支援物資を集めまくる人。いろんな人がいます。NPOに寄付をするとか、ボランティアに行っている知人に何かを託すとか、ホントになんでもいいからアクションを起こすことが大切だと思います」
「あと、何も支援することができない人のできる最大の支援は、とにかく関心を持ち続けることです。東北は東京から遠いです。西日本からだともっと遠いです。でも、少しでも関心を持ち続けていれば、被災者のみなさんの心の支えになっていると思います」
ーーありがとうございました。
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