土曜日, 3月 28, 2020

インバウンド政策が海外事情を見る目を失わせた

ついに東京都の1日の感染者数が60人以上になった。100人以上になるのも時間の問題だろう。
 
そんななかで、昨日2人の若者(といっても30代前半)と話す機会があったのだが、2人とも「新型コロナウイルスの実感がないんですよねえ」と言う。確かに身の周りに感染者がでもしない限り、実感はないだろう。「で、小松さんは?」と聞かれたので下記のように答えた。
 
「実感だらけだよ。母親の入居している老人ホームはすでに1ヶ月以上も面会禁止だし、通っているジムもかなり制約されているなかでの運営だし、ティッシュペーパーはなかなか買えないし、体温計に使う電池であるLR41も全然売っていない」
 
この答に2人は驚いていた。そして、私がさらに「1月下旬の武漢の帰国チャーター便のときから、危機意識を持っていたよ」と言ったら、「なんでそんなことを感じるんですか」と言われたので「多分、海外で暮らしていたからと、中国やアメリカの事情を常に注視しているからかな」と答えておいた。
 
別に自慢するなど毛頭ないが、今の若者は海外事情にあまりにもうとい。海外留学や海外勤務を希望する人はかなり減っているようだし、ましてやバックパックを担いで海外旅行する若者は今や絶滅危惧種になりつつある。
 
いくら国内でスマホの翻訳機能を使って外国人と話ができたところで、海外の事情を自分の目でしっかり見ないようでは海外のことは解らない。その意味において、ちょっと極論かもしれないがインバウンドは見当違いな政策であった。

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