火曜日, 4月 07, 2020

「首都圏から来ないで」はエゴイズム丸出しの地域主義

2011年の福島第一原発事故のとき、東京から多くの人が地方に避難した。私のように行くところもなければ、行くのが難しい状況な人間にとっては羨ましく思う反面、なんか利己主義な人々だなあとも思ったりした。あれから9年、東京はなんかまた似たような状況になってきた。

東京はいまや完全に新型コロナウイルスの感染地域である。そのために、東京から各地へ脱出もしくは疎開、帰省している人がいっぱいいる。そんな脱出者のなかに感染者がいることが各地で発見されたために、地方はいわゆる「東京者」は来ないでという発言が続いている。

長野県佐久市の市長はツイッターに「できれば首都圏の皆さんも自宅で過ごしてもらいたいと思います」と投稿した。また京都府知事と京都市長は共同記者会見を開き、市民の外出自粛と同時に阪神圏や首都圏などから京都への不要不急の来訪を自粛するよう求めた。

一方で、世界各国が農産物の輸出停止を行う措置を取り始めた。これは自国民を守るためだからまだ理解できるが、同じ国でありながらエゴイズム丸出しの地域主義には呆れる。佐久にしろ京都にしろ食料自給率はおそらく半分以下であるのだから、このような首長による独善的な声明は慎むべきである。そうでないと、いつか必ずしっぺ返しがあるだろう。

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