火曜日, 7月 07, 2020

寄付制度が根付かないのはなぜなのか

日本にはなかなか寄付文化が根づかない。

江戸時代、町人は助け合いこそすれど、何かに寄付をするというのはせいぜいお祭りのときぐらいだった。農民にしてもほぼ同じである。というより、みんな寄付をする余裕などがなかった。一方で、地主・大家や庄屋・名主といった下級階層の上層部は、寄付といえば神社仏閣か藩主に反強制的にさせられていた以外はほとんどしていない。

しかしながら、明治の世になってからは金持ちは徐々に寄付の大事さを理解して行くようになっていった。地元に学校を建てたり、東京や京都に寄宿舎を建てたりと、教育の大事さに気がついた人たちは寄付をするようになっていった。しかしながら、それはほんの一握りの人だけであって、一般庶民の間での寄付といったら、やはり江戸時代同様にお祭りや町会維持ぐらいしかなかった。

そして、戦後アメリカによる統治が始まってからも、日本で寄付やボランティアといった制度はなかなか根付くことはなかった。特に胡散臭い街頭募金がそれを妨げたような気がする。しかし、大雑把にいって阪神淡路大震災でボランティアの大切さ、東日本大震災で寄付の大切さをようやく理解するようになっていったのではないだろうか。このことによって多くのクラウド・ファンディングができたり、ふるさと納税をする人も増えていった。

そして、コロナ禍である。多くの人が苦しんでいる。辛い目にあっている。それゆえに、私は知り合いが携わる団体など幾つかに寄付をした。そのことによって、その団体が最低限の活動をできることを願っている。コロナ禍で誰しもが余裕がある状態ではないことは解っているが、余裕のある人(知人に余裕がある人がいれば)は、神社仏閣などに寄付をするのではなく、本当にお金を必要としているところに寄付をしましょう。

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