木曜日, 7月 02, 2020

春風亭正太郎が大名跡・春風亭柳枝を襲名

久しぶりに嬉しい話である。

地元目黒区出身で今も学芸大学に住んでいて、二つ目の重鎮と言われる落語家・春風亭正太郎が来年3月に真打に昇進することが発表された。まあ、ここまでは順当なことなのだが、驚いたのは昇進と同時に9代目春風亭柳枝を襲名するということである。

この春風亭柳枝という名は落語界の大名跡の一つであり、8代目が1959年(昭和34年)に亡くなられてからずっと封印されていた。1959年というと今から61年も前のことであり、現存の落語家でも彼の高座を聞いたことがある人は限られているはずだから、大復活な名跡である。

落語界にはいくつもの大名跡がある。例えば三遊亭圓生、古今亭志ん生などが有名だが、春風亭柳枝という名も春風亭(柳家の一派)では最高峰の名であると言っても過言ではない。歌舞伎に例えるならば、團十郎、菊五郎、歌右衛門といった名前と遜色はないと言ってもオーバーではない。

つまり、この襲名は昨年講談界を盛り上げた神田松之丞が昇進と同時に神田伯山を襲名したのと同じような出来事なのである。落語協会もそこを狙ったかどうかはわからないが、春風亭正太郎は神田松之丞のようなインパクトはないにしろ、実力と人気、そして何よりも人徳人望は素晴らしいものがある。

今後は町中で会っても「こんちわ、正太郎さん」とは声を掛けずらくなるかもしれないが、「いよ〜、学芸大学(もしくは柿の木坂)の師匠」とでも呼ぼうかと思っている。(笑)

0 件のコメント: