火曜日, 7月 20, 2021

新宿花園神社野外劇『貫く閃光、彼方へ』

昨日(19日)は新宿花園神社で公演された椿組の野外劇『貫く閃光、彼方へ』(脚本=中村ノブアキ、演出=高橋正徳)へ行ってきた。椿組は新宿ゴールデン街「クラクラ」の店主・外波山文明が主宰している演劇集団であり、椿組は37年間毎夏、花園神社で野外劇を行っている。もはや新宿の夏の風物詩といっても過言ではない公演。昨年は中止を余儀なくされたが、今年は感染症対策をしっかりして行われた。


小劇場演劇を観まくっていた昔は毎年観ていたこの野外劇だが、今回は本当に久しぶりで、おそらく10年ぶりぐらい。トバさん、ごめんなさい。

『貫く閃光、彼方へ』は1964年の東京オリンピック直前、東海道新幹線の難所・新丹那トンネル貫通工事にまつわる話だが、それにタスキの由来を語る昔話と現代の箱根駅伝の話が絡められて三重的に展開していく。このような多重的展開は演劇ではごく一般的で、それは時に観ている者を難解するかもしれないが、話が膨らんで面白くもなる。だが、逆にコンガラガッて解らなくなる時もある。今回はというと、話は膨らむが結末が少し予定調和すぎるかなという感じだった。このへんは観ている者の感性次第なのだが。

さて、出演者で良かったのは、東の熱海口から工事を行う加形組の世話役・渡辺を演じた田渕正博と、西の函南口から掘削をした近藤組の世話役・岡田を演じた中山祐一朗の演技が印象に残った。世話役はもうけ役だったのかもしれない。それにしても、この2人の演技を観ているともっと東対西の男臭いドラマにした方が良かったのかと思ったりもした。

いずれにしろ、夏の風物詩であり芝居の醍醐味を味わえる椿組の花園神社野外劇、いつまでも続くことを望む。

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