金曜日, 7月 02, 2021

新版三人集 一蔵・市弥・小辰@内幸町ホール

昨日(1日)は内幸町ホールで開かれた「新版三人集 一蔵・市弥・小辰」を聞きにいく。一蔵は春風亭一朝門下。市弥は柳亭市馬門下。小辰は入船亭扇辰門下。3人とも学芸大学のチェロキー寄席(ただいま休止中)のレギュラーメンバーで私にとっては馴染みの落語家たち。

開演前に3人でトークをしてジャンケンで出演順を決める。その結果開演直前に来た小辰が“トリ”を。開口一番ならぬ“くいつき”を市弥が、“膝がわり”を一蔵が務めることになった。演目は下記の通り。

柳亭市弥   「ろくろ首」
春風亭一蔵  「笠碁」
入船亭小辰  「鰻の幇間」

市弥は一時イケメン落語家として脚光を浴びたが、本人は大酒飲みで全然イケメンではなくヘベレケらしい。そのせいか、久しぶりに聞く市弥は以前のような大人しくはなく軽妙ながらも大胆不敵。なんか1枚も2枚も剥けた感じで溌剌していた。

一蔵は競艇大好きのギャンブラー。体格からも分かるように豪腕でねじ伏せる落語が得意。「傘碁」でも噺で聞かせるというより顔で聞かせるという力技。昨今は華奢で真っ当な落語家が多いなか、彼のような体力自慢で無頼的落語家は貴重な存在。今後もどんどんまっくっていってもらいたい。

小辰は3人のなかで唯一正攻法の落語家。話し方も所作もすべて基本に忠実で、まったく隙がなくいずれは名跡を継ぎそうな大物感を漂わせる。ただし、それが長所でもあり短所でもある。今はもっと破茶滅茶さというか生意気さがあってもいいと思う。

市弥がマクラで言っていたが「力の一蔵、技の小辰、愛嬌の市弥」を体現した面白い落語会であった。9月にまた「三人集」が開かれる。楽しみである。



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