おしゃべり
桂宮治 『道灌』
柳亭小痴楽 『崇徳院』
〜 仲入り 〜
春風亭柳枝 『そば清』
柳家三三 『寝床』
最初のおしゃべりでは正におしゃべりな宮治、小痴楽の芸協(落語芸術協会)の2人に対して、落語協会(落協、とは言わない)の柳枝と三三はかなり控えめ。この辺りに協会の違いが表れるが、それでも4人は古典落語を得意としている本格派。
桂宮治のマクラは某都立中学での学校寄席の話。食堂で2年生を相手に演じるのに、その横を1年生と3年生はバスでどこかへ・・・。それがなんと上野鈴本演芸場へ。「1年生と3年生には本物の寄席を体験させる」というオチは芸協ならでは半分ひがみであり怒りのようであった。w 『道灌』は八五郎が大家のところにある太田道灌の掛け軸の絵のことを聞くというものだが、宮治は八五郎と大家の掛け合いを超高速スピードで展開する。あんなに早口の落語はついていくのが大変だ・・・。
柳亭小痴楽のマクラは落語家の屋号の話。柳亭ということでよく柳亭市馬師匠の弟子と間違われるそうだ。それゆえ、いずれは柳亭でなく柳家小痴楽になることを狙っているとか。となると、協会を移籍でしょうか。(笑)さて、本題の『崇徳院』は宮治とは対照的にゆっくりお客さんを諭すかのような語り口で進めていく。小痴楽は芸協の若手のなかでも古典落語の王道を進もうとする噺家。その心意気がよくわかったが、その割には散髪に行ったばかりの頭はブロッコリー刈り(三三師匠命名)はちと違和感を抱く。
春風亭柳枝のマクラは諏訪のバッタソフトの話。ソフトアイスに佃煮にしたバッタが刺さっているようで、インスタ映えするので人気だとか。私も帰ってきてから検索して見たが、う〜ん、バッタというより◯キ◯リのようでもあり、食べたいとは思わない。w『そば清』はそばの大食いである清兵衛さんがある草(人を溶かすという消化剤)を食べて、着物姿のそばになってしまうという噺。いつの世でも大食い競争というものはあるが、これはそうした風潮を揶揄しているのかもしれない。この噺はいかにメリハリを効かせるかが噺家の腕の見せ所であるが、柳枝はそば、うどん、きしめん、とろろそばの食べ違いを披露する。次は是非ともラーメン、パスタなども加えてもらいたい。
柳家三三のマクラは楽屋入りの話。今の寄席では三密を避けるために楽屋入りは出演時間の20〜30分が当たり前。そして、出番が終わったら、すぐにサヨナラするとのこと。ところが、今日は楽屋がに入って最初のトークをやってから1時間45分も楽屋にいる。3人の噺を聞くぐらいで何もすることがないという。本当だろうか・・・💤💤💤。『寝床』は義太夫好きの大家の旦那が起こす騒動だが、ここでは三三は足に地をつけた語り口で、まだ真打になって1〜3年の前3人との違いを見せつける。やはりキャリアが違うというか貫禄が違う。しかし、うかうかしていると、勢いのある3人に抜かれてしまう。落語界の栄枯盛衰というか新陳代謝は激しいので気を抜かないようにしましょう。w
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