日曜日, 4月 03, 2022

蝶花楼桃花真打昇進披露興行@新宿末広亭

一昨日(1日)は新宿末広亭で開かれた「春風亭ぴっかり☆改メ蝶花楼桃花真打昇進披露興行」へ行ってきた。蝶花楼桃花は春風亭小朝の三番弟子。入門が2006年11月であるから15年半かけての真打昇進である。この日の末広亭は開場前に整理券を配るほどの大盛況。

この日の番組は披露口上前に前座の春風亭貫いち(狸の札)に始まり、二ツ目の三遊亭わん丈(来場御礼)、当日5代目江戸家猫八の襲名が発表されたモノマネの江戸家小猫、柳家小八(たけのこ)、桃花の兄弟子である五明楼玉の輔(動物園)、手品の松旭斉美智・美登、三遊亭圓歌(やかん)、柳家さん喬(転宅)、漫才のすず風にゃんこ・金魚、そして柳亭市馬(高砂や)と出演して、披露口上前の寄席を盛り上げる。

なかでも特筆すべきは、すず風にゃんこ・金魚の金魚師匠がつけていた手作り真打昇進髪飾り(写真は桃花のブログより拝借)。金魚師匠はいつも舞台に上がる時には手作り髪飾りをつけて登場するが、真打昇進披露興行の時は、その日に披露口上をする新真打の写真が入った髪飾りをつけて登場する。金魚師匠がこれをいつから始めたのかは知らないが、蝶花楼桃花がブログのなかで「憧れの」と書いているように、真打昇進した噺家にかなり嬉しいに違いない。もはや落語協会の真打昇進に欠かせない縁起物になっているといっても過言ではないだろう。

披露口上は下手より司会の玉の輔、圓歌(落語協会理事)、桃花、小朝、さん喬(落語協会常任理事)、市馬(落語協会会長)と並ぶ。口上では小朝が泣くこともなく、意外に淡々と進み、最後は恒例のお手を拝借で3本締め。

口上後は音曲の柳家小菊、桃花と同時昇進の柳家風柳(上方版つる)、春風亭小朝、大神楽の鏡味仙志郎・仙成が出演して、最後に新真打の蝶花楼桃花が登場。

この日の桃花は「お見立て」をかけるが、桃花ならではの明るさを基本にして話立てをしていく。特に喜瀬川花魁がとってもアッケラカンとしているのは男の落語家ではマネができない。ただ、この明るさが杢兵衛大尽のアホさぶりを弱めてもしまっていたのが少し残念。もう少し緩急というか強弱をつけても良かったのではないだろうか。女流落語家が廓噺を演じるのは難しいと言われるが、彼女には今後も果敢に廓噺に挑戦してもらいたい。期待している。

0 件のコメント: