金曜日, 7月 20, 2007

日系人の不屈の精神と努力に感謝

私は1970年代の4年余を北カリフォルニアで過ごした。このほかに、80年代に全米を2度に渡って半年以上のバックパッカー生活をしたことがある。こうしたアメリカ滞在中および旅行中に、私は幸いにして直接的な人種差別を受けたことは一度もなかった。

北カリフォルニアには日系人が数多く住み、古くから日本との結びつきもあり、現在では日本人に対する差別はまったくと言っていいほどない。しかしながら、それは戦時中の強制収容所生活など屈辱的な差別を跳ね返した日系人の不屈の精神と努力の賜物である。今日、日本人がアメリカで差別や侮辱を受けない生活を送れるのは日系人のおかげ以外のなにものでない。

アメリカは移民の国である。そして、常に新しく移民してきた民族が最下層になり、どんな仕事でもしなければならない、ある種の差別的構造社会になっている。19世紀後半の東海岸では、イタリアン、アイリッシュ、ポーリッシュが最下層に位置づけられ、西海岸では中国人、日本人が差別を受け、第2次大戦後はフィリピーノ、メキシカンがその対象となり、70年代以降はベトナミーズ、コーリアン、イラニアンと続いている。

そして、こうした移民たちの存在が黒人たちの差別不満へのはけ口にも利用されたり、労働力を競わすことによって、アメリカの社会構造が成立している。アメリカにはもう差別がないという人がいるが、残念ながら“格差”という名の差別が歴然と存在している。これは社会構造の根底が変わらない限り消えることはないだろう。

現在、アメリカで暮す日本人の方々は日系人に対して尊厳と敬愛の念をいただきたいと思う。と同時に、できれば時間のあるときに日系人の歴史を少しでも勉強してもらいたいとも思う。

※写真はマンザナール収容所跡地
2006年に日系の上院・下院議員がなどの提案によって、アメリカ議会は全米各地に点在する日系人強制収容所跡地を、アメリカ史の重要な史跡として保存する法案を可決した。この結果、跡地は国立公園局によって管理されている。

全米日系人博物館
http://www.janm.org/jpn/main_jp.html

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