金曜日, 7月 27, 2007

焼酎かす海洋投棄禁止と日本酒の巻き返し

日本酒が巻き返し攻勢に出ている。最近、新聞や雑誌には酒造組合の広告を見るようになった。この背景には相次ぐ焼酎の値上げがあるようだ。

7月1日より大手芋焼酎メーカーが値上げを行っている。値上げの原因は3つあるそうだ。第一に原料となるサツマイモの高騰。第二に原油高による輸送費の高騰。ここまでは解るが、第三の原因は、製造で発生する焼酎かすの処理コストの増加ということである。今年の春から海洋汚染防止するロンドン条約により、焼酎かすの海洋投棄が禁止となった。そのために焼酎メーカーは焼酎かす処理のための設備増設を余儀なくされたということである。

我々が飲んでいる焼酎かすが海洋投棄されたとは、情けないことに知らなかった。ちょっと罪深いがする。しかしながら、現在では焼酎かすの再利用が進んでいて、ブタのエサ、農作物の肥料、健康飲料に至るまで新たな商品開発が行われている。

こうした焼酎の値上げを機に、日本酒の巻き返しが躍起である。今日では各酒造メーカーに研究熱心な若い杜氏がどんどん登場して、現代にマッチした日本酒が多く誕生している。こうした日本酒は以前に比べて、飲みやすくなったのはもちろんだが、翌日に残らなくなり、二日酔いを起こすことがほとんどなくなった。

杜氏というと、どうしても昔からの職人気質の人が多く、味に関して一貫して「味を守る」という人が多い。それはそれで大事なことだが、やはり守りの姿勢に入り、新しい味の開拓をしなくなってしまう。若い杜氏たちは農業大学などで発酵学の勉強をしているものがほとんどだから、科学的な分析で新しい日本酒作りを行っている。

これまで日本酒といえば、灘や伏見の大手酒造メーカー、そして一部の有名地酒メーカーだけの時代だったが、今日では流通機構が大変革したので、どんな小さな酒造メーカーでも直接消費者に製品を届けることができるようになった。私もしばらくは日本酒巻き返しブームにのってみたいと思う。(笑)

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