木曜日, 10月 01, 2020

NTT Docomoは敗北の歴史・・・

NTT Docomoが親会社のNTTに買収される。それにしても、Docomoの歴史は敗北の歴史であった。

私が初めて携帯電話を手にしたのは1980年代後半で、当時の電話番号は現在の090や080で始まるではなく030で始まり、通常は030-00-00000と表記された。つまり今のような090-4桁-4桁ではなく030-2桁-5桁だった。また電話会社もNTT Docomo、セルラー(現・au)、東京デジタルフォン(現・ソフトバンク)の3社で、NTT Docomoだけが全国展開、セルラーは主要都市のみ展開、東京デジタルフォンは東京近隣だけというまだ携帯電話黎明期だった。そうしたことから、NTT Docomoのシェアは全体の7割ぐらいあり、圧倒的な力を持っていた。私も全国に行く仕事が多かったので当然ながらNTT Docomoの携帯電話(NECのアナログ・ムーバN3だったと思う)を購入した。

それから何年かしてNTT Docomoはi-modeを開発した。これは携帯でパソコンが観れるなど画期的であったが、Docomoはi-mode独自に関するアプリの資金を費やしたり、世界展開にも失敗して約2兆円とも言われるお金を無駄にしたと言われた。これがDocomoの最初の敗け戦というか敗北であった。

次にアップルが開発したiPhone競争に敗けたというか、i-modeに固執するあまりDocomoはiPhoneを受け入れなかった。iPhoneを一番最初に取り入れたのはソフトバンクで、iPhon3Gが2008年7月に発売された。それ以降iPhoneは改良を重ね、2011年10月のiPhone 4Sではソフトバンクに加えてauも発売に加わった。

そして次のiPhone 5ではさすがにDocomoも発売かと言われていたが、2012年9月の発売時にそれはなかった。このために、多くのDocomoユーザーから不満が湧き起こり、iPhoneに乗り換えるためにDocomoを去った。私もその1人であり、知人たちが使っていたPhoneの便利さを知っていたので、もう我慢がならなかった。この時がDocomoの2回目の大敗戦となり、携帯市場でのシェアはガタンと落ちた。

Docomoはそれから1年後の2013年9月のiPhone 5s/5cの発売からやっとiPhoneを供給するようになったが、時すでに遅しであり、iPhoneを求める若者たちはソフトバンクかauを利用するようになり、Docomoのシェアの下落に歯止めは掛からなかった。

そして、今回のNTTによる子会社化である。NTTは国際的競争力向上のためと説明しているが果たしてそうであろうか。新政権による携帯料金引き下げ構想に単に従っただけではないだろうか。携帯料金が高いという不安は多くの人が持っているが、なぜゆえに政権に言われる前に独自で値下げを行うことができなかったのだろうか。それだけすでに企業努力が衰弱しているという証ではないだろうか。

子会社が親会社に買収されることはよくあるが、逆に子会社の方が親会社より業績がいいところもいっぱいある。その意味において親会社に買収されるということは、安全ではあるかもしれないが会社としては完全は敗北である。

このような敗北の歴史の繰り返し状態のNTT Docomoに将来像は見えてこない。まずは私のような元ユーザーを引き戻すような魅力的なアイデアもしくはセースルを出してもらいたい。

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