日曜日, 11月 08, 2020

トランプは所詮過半数の支持がない大統領

アメリカ大統領選が“ほぼ”決着した。日本での予想はどちらが勝つか分からないというのが大半であったが、私はバイデンが勝つとずっと信じていた。



なぜかといえば、アメリカ国民も日本と同じように反知性主義に疲弊していると思ったからである。トランプの馬鹿にしきった言動には流石に中間層や保守層からも反感を抱かれていた。加えて、コロナ対策の甘さに呆れていたこともある。ましてやトランプ自身まで感染する失態を演じるなど、感染症の恐ろしさを軽視したのが最大の失点だった。

今は“まだ”開票中ということで報道もしくは調査されていないのかもしれないが、いずれコロナ感染者の政党支持率がわかるに違いない。この調査が行われたら感染者の6〜7割は共和党支持者と判明するのではないだろうか。なにぶん共和党支持者はマスクをしないのだから。仮にこのような結果が出たら、感染を拡大させたのは間違いなくトランプの仕業となる。こうしたことを多くのアメリカ国民はある程度察していたに違いない。

あとバイデンが戦術的に成功したのは徹底したブルーウォール(本来は民主党が強い地域)へのテコ入れだろう。バイデンはデラウェア選出だが、生まれはペンシルベニアなので、出身地では絶対に敗けたくなかったので、相当数の演説を行なっていた。これがかなり影響したのか、ミシガン、ウィスコンシンとブルーウォールの2州とミネソタで、共和党からの覇権奪還に成功した。

そして、トランプは西部の保守層が多いネヴァタでも敗けた。これはコロナのパンデミックによってラズベガスやリノなどの観光客が激減して大量に失業者がでたからである。つまり、これもトランプのコロナ対策の失敗の証でもある。

トランプはジョージアやアリゾナでも敗けそうである。ただ、この2州での敗ける理由は、コロナだけでなく人口構成が変わりつつあるからである。ジョージアの中心地アトランタ周辺には新たな企業が多くでき、ここ数年民主党支持基盤の東部から数多くの人が移住するようになった。一方、アリゾナはカリフォルニアで成功したヒスパニック系が土地価格がカリフォルニアより安いアリゾナに求めるようになり、アリゾナでヒスパニックの人口がここ数年激増したことによる。こうしたことから、ジョージアもアリゾナももはや共和党の安定州とはいえなくなっていたのである。

現時点で、アメリカ全州での得票率はバイデン50.6%、トランプ47.7%である。トランプは前回の46.0%(ヒラリークリントンは48.1%)より多いものの、過半数を越えることはできなかった。オバマ前大統領は2008年の選挙では52.9%、2012年のときには51.06%を獲得している。つまり、トランプは所詮、過半数の支持を得られない大統領なのである。


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