木曜日, 11月 26, 2020

FA選手は同一リーグかセリーグへ行く傾向がある

私は数年前から日本シリーズはセリーグのパリーグへの挑戦試合と考えていて、セの覇者がパの覇者に勝てるわけはないと思っている。で、今年の日本シリーズも大方の予想通りあっという間に終わった。マスコミは選手層の違いとか、データ分析力の違い、スカウト力&育成力の違い、といろいろ書きたてている。まあどれも正しいと思うが、私は選手のモチベーション(意欲)もあるのではないかと思っている。

その顕著な例がFA選手の移籍先である。FA=フリーエージェント制が開始されたの1993年。これまでに100人近くがこの制度を使って他球団へ移籍している。そのFA選手の多くはメジャーリーグを除くと、なぜか同一リーグへ行く傾向がある。一方で他リーグへ行く場合は、パからセへ行く選手は多くいるが、セからパへ移った選手は7〜8人しかいない。これはセのチームの方が年棒提示がいいからだと言う人がいるかもしれないが、それだけではないと思う。パの選手はセへ行ってもまあ活躍できると思っているが、セの選手はパへ行くことが不安なのではないだろうか。

具体例を申し上げると、あるセリーグの選手がFA資格を取得した。そして、パのチームが地元出身選手ということで熱烈なラブコールを送っていたが、彼が選んだのはセのチームだった。セのチームの方が年棒が良かったからということになっているが、実際はパへ移籍する怖さがなかっただろうか。パのチームは本拠地は広く風も吹く。それゆえにホームランは出にくいし守備も大変である。一方、セのチームの本拠地は狭くてホームランも出やすい。ドーム球場なので風も気にしなくていいから守備がしやすい。そして、パには速球派の知らない投手が多いからパのチームへ行くことを躊躇しなかっただろうか。

この10年間でセからパに移籍した選手は内川聖一(横浜→ソフトバンク)と中田賢一(中日→ソフトバンク)ぐらいである。他にサブロー(巨人→ロッテ)、平野恵一(阪神→オリックス)もいるが、彼らはいわゆる出戻りだし、木村昇吾(広島→西武)にいたっては入団テスト後の移籍なのでまともなFA移籍とはいいがたい。

このように、セの選手がパに移ることは非常に少ない。「人気のセ・実力のパ」と言われてもはや30年以上になる。そして、交流戦がスタートして15年になる。その間に選手たちはその実力差を肌で感じているはずである。セの選手はパへ行って自分の実力が通じるかどうかという不安を持っていると思う。

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