CSの時代劇専門チャンネルをよく観る。このチャンネルはその名の通り、時代劇だけを放送していて、昔の東映時代劇から現在のNHK時代劇まで映画、ドラマ、舞台の時代劇を放送している。このチャンネルおかげで『狸御殿』シリーズの何本かを観れたし、市川雷蔵、大川橋蔵が何故人気者だったのかを少しは理解できるようなった。
そんな時代劇専門チャンネルで私が好んで観ているのが池波正太郎原作の『雲霧仁左衛門』である。『雲霧』はこれまで映画で1回、テレビドラマで5回制作されている。ドラマは2回は単発ものだったが、他の3回がシリーズものであった。1回目は関西テレビ制作で1979年に天知茂主演で放送。2回目はフジテレビ制作で1995年〜96年に山崎努主演で放送。3回目はNHK-BSで2013年から放送されている中井貴一によるものである。すべての制作に京都松竹が絡んでいる。1978年の仲代達矢主演の映画化も松竹が行っている。松竹にとって『雲霧』は大事なソフトのようである。
では、なぜ私がこの『雲霧』を好んで観るかといえば、盗賊である仁左衛門と火付盗賊改長官安部式部の駆け引きであったり、盗賊たちや密偵たちの人間臭さをうまく描いているからだ。私は時代小説を好んで読むが、武士ものよりは市井もの、活劇ものよりは人情ものが好きである。その意味において『雲霧』はチャンバラ的活劇の要素より市井の人情時代劇に近いから観ているような気がする。先日時代劇専門チャンネルで放送された山崎努主演の第11話「富の市とおかね」の回では盗賊同士の富の市(六平直政)とおかね(深浦加奈子)の逢瀬から夫婦になるまでをしっとりと描いていた。
さて、そんな『雲霧』だが、本来ならばNHKは昨年中に第5シリーズを制作放送する予定だったが、コロナのために延期になっている。今年中にはなんとか制作放送してもらいたい。なお、このNHK版シリーズのポスター撮影をしているのが知り合いのカメラマン・アライテツヤであることを先ほど知った。すげえ〜〜〜。
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