木曜日, 6月 17, 2021

オーケストラは不思議な生き物

オーケストラというのは不思議な生き物である。素晴らしい指揮者が良い指揮をすると、そのオケの実力以上の音を奏でる。ところが、普通の指揮者が良い指揮をしても、それなりの音しかでない。

コロナ禍が1年半近く続いている間、海外から素晴らしい指揮者はほとんど来日できなかった。そのために、日本人指揮者が代わって指揮をすることになったが、残念ながらそれなりの音しか聞くことしかできなかった。

昨日(16日)、N響の首席指揮者であるパーヴォ・ヤルヴィが約1年9ヶ月ぶりにサントリーホールの指揮台に立った。観客はおそらく定員の3分の1ぐらいの600人ぐらいであっただろうか。演目は下記の通り。

ペルト/スンマ(弦楽合奏版)
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47(独奏:青木尚佳)
ニルセン/交響曲 第4番 作品29「不滅」

音色はどの曲も素晴らしかった。この1年余の鬱憤を晴らすかのように聞き入ってしまった。特にニルセンの交響曲第4番では2台のティンパニー(植松透と元読響の菅原淳)の叩き合いが鮮やかで、こうした音を引き出すヤルヴィの手腕にも惚れ惚れした。

9月以降は海外オケの来日は無理にしても、指揮者、ソリストの来日は以前通りになりそうだ。9月以降は以前と同じように気軽にコンサート会場に足を運びたい。


 

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