火曜日, 2月 07, 2023

公推協杯全国若手落語家選手権本選

昨日(6日)は紀伊國屋サザンシアターで開かれた公推協杯全国若手落語家選手権本選(共同通信社主催)を聞いてきた。出演者は予選を勝ち抜いた立川吉笑、春風亭一花、三遊亭わん丈の3人ほか。3人はすでに他の若手コンクールで優勝や準優勝している強者揃い。

古今亭菊一  「寿限無」

 〜 本 選 〜

立川吉笑   「一人相撲」
春風亭一花  「粗忽の釘」
三遊亭わん丈 「お見立て」

 〜 仲入り 〜

古今亭志ん輔 「宗珉の滝」

開口一番の古今亭菊一は古今亭菊太楼の弟子。今月中席より二ツ目に昇進する。端正なマスクにしっかりした滑舌。立ち振る舞いも流麗。この人、只者ではないなと思って調べたらなんと東大落研出身。かといって優等生タイプでもない。になっ二ツ目たら色々なものに挑戦してもらいたい。

さて、本選である。

立川吉笑は京都府出身。2010年11月に立川談笑に入門。高座に上がるなり「トップバッターは不利なんですよね」と弱音。確かにこうしたコンクールのトップバッターは座(会場)がまだ暖っておらず演りにくい。それでも、弾丸トークというか、自作の「一人相撲」で勝負。しかし、やはり気負いすぎの感があり少し空回りしたりする。トップバッターは不利である。

春風亭一花は東京都出身。2013年5月に春風亭一朝に入門。こちらも高座に上がるなり「虎とライオンに挟まれて」と弱音。彼女の高座は何度も聞いているが、かなり緊張している。それゆえに、マクラもそこそこに本題に入るものの、上手く場の雰囲気を掴めない。綺麗な江戸弁を屈指して正統な古典を披露するものの、残念ながら虎やライオンを蹴散らすことはできなかった。

三遊亭わん丈は滋賀県出身。2011年4月三遊亭圓丈に入門。鉄板マクラに鉄板ネタで座の雰囲気を上手く掴み、その流れに乗り、全投票の半数以上を得て賞状、カップ、賞金50万円を獲得。ただ、これがもしトップバッターだったら、これほどスムーズにいっただろうか。3回の予選、そして本戦と全て最後の演者が勝者になったのこと。こうしたコンクールでの勝ち負けは運不運がかなり左右する。

最後に蛇足ではあるが、久しぶりに聞いた古今亭志ん輔。それも滅多に聞くことができない「宗珉の滝」を臨場感たっぷりに披露。これには会場も盛大な拍手。これを聞けたのは大収穫であった。本選に出場した3人も10年20年後にこのような演目をしっかり披露できるよう精進してほしい。



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