昨日(12日)あまり評判が芳しくないが、一応話題作ということで、映画『SUPER 8』を観に行ってきた。結論からまず書くと、駄作でも失敗作でもないが、かといって傑作でもなければ成功作とも言えない、映画だった。
映画や演劇はラストシーンありきで脚本を書くものが多いが、この映画はまさにその典型。最後のシーンと付録(これはネタバレになるので書かない)を映像にしたいがために作られている映画だ。蛇足だが、先日観た二期会オペラ『トゥーランドット』も最後のシーンを描くための舞台美術と演出をしていた。
確かにラストシーンは映画の印象付けになるので大変重要なシーンだが、しかし、そこにたどり着くまでのいくつかのハイライトがしっかりしていないと盛り上がらない。その意味においては、この映画はそれらが非常に弱い。もっとインパクトがあったハイライトの列車事故のシーンにしても、あまりにCGに頼りすぎていて面白みにかけるし、あんな大事故なのにどうして主犯者が生存してているのかが解せない。他にもどうしても腑に落ちないストーリー展開がいくつもあり、脚本としてはB級映画以下である。
一方、映像の方はスピルバーグが関わった映画の『激突!』『ジョーズ』『未知との遭遇』『ポルターガイスト』『E.T.』などに対するオマージュというかコラージュにすぎず、スピルバーグ映画が好きな人にとっては回顧的に観る価値があるかもしれないが、それ以外の人にとっては単なるモンスターパニック映画でしかないだろう。
ということで、かなり中途半端なパニック映画でしかなく、昼間の渋谷の映画館にもかかわらず、お客さんの数は50人余りと寂しい限りであった。
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