日曜日, 4月 14, 2019

気になる三人かい・・・@パーシモンホール

一昨日(12日)はめぐろパーシモンホールで「気になる三人かい・・・」を聞く。出演者と演目は下記の通り。
 
春風亭与いち 「狸札」
春風亭一之輔 「茶の湯」
 〜 仲入り 〜
柳家喬太郎  「花筏」
桃月庵白酒  「幾世餅」
 
開口一番の春風亭与いちは春風亭一之輔の弟子。マクラもなにもなく4分間の速攻で「狸札」を演じる。この早業は次に出てくる師匠のため・・・。
 
春風亭一之輔は登場するや否や「あの前座、なんなですかね17〜8分はかかる『狸札』を4分に短縮しましたからねえ」と。で、その原因が自分にあることを白状。「このあと20時10分から上野鈴本でトリがあるんですよ」と。売れっ子はすごい。どのような移動手段があるにせよ、18時35分に都立大学で1席30分を演じてから上野へ行くのだ。さて、本題の「茶の湯」は暇なご隠居がとんでもない茶会(茶の湯)を行うというドタバタ劇。一之輔は次があるからと慌てることなくしっかりメリハリをつけて噺をすすめる。前半は隠居と定吉の掛け合いをテンポ良く、そして後半は客の豆腐屋などの表情を豊かに演じて愉快極まりない。しかし、挨拶後は急ぎ足の格好で退場。(笑)
 
「花筏」は看板大関・花筏の偽物の提灯屋が興行先の銚子で、土地のツワモノ千鳥ケ浜と相撲を取ることになったというお噺。この噺を得意としている落語家は何人もいるが、柳家喬太郎もその一人。ところが、その喬太郎があろうか終盤にちょっとしたトチリを。しかし、そこは転んでも喬太郎。舞台上で思いっきり拗ねた姿勢を見せて、そのあとは「芝浜」のシーンを演じながら取り繕う。こういうことができる人はそうはいない。喬太郎ならではの力技だ。そして、最後はきっちりと噺を締める。ただし、挨拶後は羽織を担いでちょっとイジケてというかふて腐れて退場。(笑)
 
以前も書いたと思うが「幾代餅」は個人的には大好きな演目。つき米屋の奉公人清蔵が吉原の花魁・幾代太夫に一目惚れして、夫婦になるというお伽噺。本来はしっとりとした噺なのだが、桃月庵白酒の「幾代餅」は超爆笑版。いくつもの声色を変えながら話を進める。なかでも引き締まった時の清蔵の声がピカイチ。白酒がこんな美声の持ち主とは知らなかった。前出の二人と同じように途中ちょっとした愛嬌はあるものの、アドリブを混ぜなからも快活のいい語り。桃月庵白酒、50歳。いま脂が最ものっている落語家の一人。聞かなきゃ損だよ。
 
今回の「気になる三人かい・・・」は最初に登場した前座(春風亭与いち)のおかげかもしれないが一之輔、喬太郎、白酒の3人ともちょっとしたトチリはあったものの、淀みも弛みもなくテンポのいい語りで爽快な落語会だった。来年もぜひとも開催してもらいたい。もちろん時間差の掛け持ちがあろうと。w

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