木曜日, 10月 04, 2007
ベルリン・シュターツカペレには不満ボイム
昨日(3日)、サントリーホールでベルリン国立歌劇場のオーケストラであるベルリン・シュターツカペレの公演を聴いてきました。指揮は今や世界の5本の指に入るぐらいの実力と人気を兼ね備えていると言われる帝王ダニエル・バレンボイム。
演目
R.シュトラウス/交響詩「ドン・キホーテ」
〜休 憩〜
ベートーヴェン/第5番ハ短調「運命」
バレンボイムと言えば、パリ管弦楽団やシカゴ交響楽団の指揮者として名声を馳せた人である。私はアメリカでシカゴ交響楽団を聴いてことがあるが、そのときはまだ音楽監督がサー・ゲオルク・ショルティが君臨していた時代。私がバレンボイムを聴いたのはシカゴ響に赴任間もないころで、今回が10数年ぶりになる。
ところで、いきなり余談ですが、開場前にスタバのコーヒーを飲みながら、ホールが開くのを待っていたら、私の前を黒と赤の洋服で纏った綺麗な若い女性が歩いていきました。あれまあ、私のご贔屓のN響のヴァイオリン美人奏者・宇根京子さんではありませんか。第三種接近遭遇(ちと古いか)です。オーボエの池田昭子さんとは開演前の室内楽で2〜3回遭遇していますが、宇根さんとは初めてです。思わず後を追いかけようかと思いましたが、私は「ストーカーではない、ストーカーではない」と自問自答しながら自制しました。(笑)
さて、コンサートです。これがいただけません。正直、久しぶりの海外オケの外れでした。何が悪いと言えば、コンマスです。この人、なんというか音色もよくないし、統率力もありません。バレンボイムがなんでこんな人をと思うぐらいです。それに比べて凄かったのは身長2メートルはあろうかというヴィオラ首席奏者の方です。「ドン・キホーテ」は基本的に、チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラのソロの掛け合いが聴きどころなのですが、若いチェリストくん、ヴィオラの巨人さんはいいのですが、コンマスがマッチしていないのです。
そのためか、演奏後は若いチェリストとヴィオラ首席奏者に盛大な拍手が送られましたが、コンマスへの拍手は弱かったです。お客さんは正直です。
休憩後は「運命」です。バレンボイムはじっくり腰を落して、そして時に鋭い動きを加えて指揮します。しかし、オケがついていけません。例えば、第一楽章の終曲部分はキレがなく力強さが伝わってこない。第三楽章ではチェロ、ヴィオラ、第二ヴァイオリンとメロディが流れていくパートがあるだが、ここではヴィオラがめちゃくちゃに弱くて、全くバランスがとれていない。また、第4楽章でも金管の主要な音色とそれを支える弦の音色が調和されておらずどことなくチグハグでした。
それでも、演奏後はお客さんからは会場は割れんばかりの拍手。ただ、これはオケに対してというよりも、バレンボイムの指揮とアンコール期待にあった。というのも、舞台下手(左側)にはなぜか使われもしないグランドピアノが置かれていたからである。もし、バレンボイムが機嫌よければ、ピアノを弾くつもりでいたのあろう。そうだとしたら、このコンサートはバレンボイムにとっても不満だったに違いない。
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