土曜日, 10月 27, 2007

山火事とエゴイズム

カリフォルニア南部の山火事被害が拡大している。新聞などの報道よると、4日目を迎えた山火事は、東京都の8割りにあたる1800平方キロを焼き、まだまだ燃え続けている。これまでに民家や商業施設1500軒以上を焼失、死者は6人になり、90万人以上の住民に避難命令もしくは勧告が出されている。

カリフォルニアは山火事が多いところである。私がカリフォルニアに滞在して
いた70年代にもサンフランシスコ郊外のマウント・ダイアブロという山が10日間に渡って燃え続け、木が生い茂っていた山が禿げ山になってしまった。当時、私はフェアフィールドという町に住んでいたが、夜になると南の空が赤くなっていたことをよく覚えている。また、91年10月にはサンフランシスコ対岸のオークランドからバークレー一帯が山火事になり1日で3500軒以上の民家が焼失した。

このように、住宅街に被害をおよぼす大きな山火事は5〜10年に1回の割合であるが、小さな山火事は毎年必ずある。なぜこのような山火事が起きるかといえば、答えは単純明快である。雨が降らないで乾燥しているからだ。カリフォルニアという土地は毎年4月から10月までほとんど雨が降らない。その降らないは本当に降らないのである。一滴も降らない年もある。加えて、10月は内陸から海に向う強い風が吹く時期で、いったん火がつくとすぐに燃え広がり、手におえないのだ。だから、大きな山火事はほとんど10月に起きる。

それでは、対処策はないのかというと、ないこともないのである。人工雨を降らせればいいのである。しかし、山火事に見舞うような地域に住んでいる人のほとんどは裕福な白人家庭であって、こうした環境破壊的な対処策には批判的である。ただ、こうした地域に住むこと自体が環境破壊でもあるのだから、不条理な反対理由で身勝手でしかないと思う。

今回の山火事によって、こうした考えがどう変わるかわからないが、カリフォルニアで大きな山火事が起きるたびに、私は人間のエゴイズムを感じざるをえない。

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