金曜日, 11月 26, 2021

新装開店第1回柳枝百貨店@日本橋劇場

昨日(25日)は日本橋劇場で開かれた「新装開店第1回柳枝百貨店」を聞きにいってきた。演目は下記の通り。

金原亭駒介  「金明竹」
春風亭柳枝  「寝床」
 〜 仲入り 〜
春風亭柳枝  「徂徠豆腐」(ネタ下ろし)

開口一番、前座の金原亭駒介は金原亭馬生の弟子。ちょっと愛嬌のある顔立ちとこれまたちょっと愛嬌のある語り口。「金明竹」は長ゼリフの言い立てがハイライトの噺だが、駒介はそこへ行くまでに笑いのツボを押さえて話す。華やかさや派手さはないが、基本をしっかり教えられているようなので将来が楽しみ。

春風亭柳枝のマクラは今年亡くなった柳家小三治師匠、川柳川柳師匠らの思い出話。特に川柳師匠に関しては話を進めるうちに裏話や危ない話も続出。ある意味川柳師匠の人間性がよくわかり落語家ならではの追悼になっていた。さて「寝床」は大家の旦那が下手な義太夫を披露する顛末をする噺。柳枝はこの噺を正太郎時代から得意としているが、今回は明らかにバージョンアップ。特に小間使いの繁蔵の抑揚の変化が大きく滑稽さが俄然広がる。

マクラは週刊朝日の連載を終える山藤章二の「ブラック・アングル」の話。ネタ下ろしの「徂徠豆腐」は入船亭扇辰が得意としている噺。柳枝と扇辰師匠は地元が一緒なので、ひょっとしたら教わったのかもしれない。「徂徠豆腐」は豆腐屋の上総屋七兵衛と貧乏浪人・荻生総右衛門(後の徂来)の豆腐とおからにまつわる人情噺。この噺を柳枝は導入部は自然に入り込ませ、七兵衛と総右衛門の掛け合いは緊張感を持たせ、七兵衛と髪さんの掛け合いは脱力感を持たせ、最後は心優しく盛り上げる感じで、しっかり起承転結を完結させる。お見事。



木曜日, 11月 25, 2021

半導体はゴールドと一緒なんだよ、と言ったおじさんは億万長者だろうなあ

下の写真は先日放送された「モーニングショー」のなかで紹介された世界における日本の半導体シェアの図である。

1988年、バブル絶頂期の日本の半導体シェアは世界の半分を占めていた。この年、為替レートは1ドル=125円になり、仕事や遊びで海外へ行くのもかなり楽になった記憶がある。そして、1995年ぐらいまでは全世界の40%近くを占めていて、1995年4月には一瞬ではあるが、1ドル=80円を切ったことがある。

こうなると、以前は1泊50ドルクラスの部屋にしか泊まれなかったのが、1泊100ドルクラスの部屋に泊まれるようになったことを覚えている。ちなみに、1995年5月に野茂英雄がメジャーリーグ・デビューを果たし、私はその年の6月24日に日本人メジャーリーガー初の完封勝利を遂げたのをドジャースタジアムで観た。

しかし、図を見ればわかるように1995年を境に日本の半導体シェアは徐々に落ち込みをみせるようになり、為替レートも円安へと下方傾向となっていった。

今にして思い出すのが、1990年ぐらいだろうか、ニューヨークの街角のカフェで話したおじさんの言葉である。

「半導体はお金だよ。日本は世界の半分近くのシェア持っている。半導体はゴールドと一緒なんだよ。だから、三菱はロックフェラービルを買えるし、多くの日本企業の看板がブロードウェイに並ぶんだよ」

当時の私はまだ半導体のことのことを分かってなく、パソコンが普及することは分かっていたものの、半導体はパソコンだけに使われるものであり、電化製品から車までありとあらゆるモノに半導体が必要になるとは分かっていなかった。それゆえに、私はおじさんに「半導体は大事だけど、それよりパソコンがいかに身近になる方が必要では」と答えた。そしたら、おじさんは

「半導体はパソコンだけでなく、ありとあらゆる装置の基本になる。車も飛行機も船も動くモノみんな半導体なくして動かなくなるよ」

そして、まさにその通りの世の中になった。あのおじさんは今どうしているのだろうか。インテルの株を買ったのだろうか。マイクロソフトの株を買ったのだろうか。アップルの株を買ったのだろうか。

先見の明を持っていたおじさんは今は億万長者になっているに違いない。

火曜日, 11月 23, 2021

水際対策、検疫体制の更なる強化を

ヨーロッパを中心に世界的に新型コロナウイルスの感染拡大は止まっていない。これはワクチン未接種者が多いからだという見解もあるが果たしてそれだけであろうか。

一方、アジアでは、日本、インドネシア、インド、タイなど一時大流行したにもかかわらず、落ち着いているところや下火になっている国が多い。そんななかで韓国だけが感染が止まらないのが不思議でならない。ワクチン接種が煩雑だったとかいうが、果たしてそれだけなのだろうか。

ヨーロッパにしろ韓国にしろ、私はその背景に宗教が関係しているようでならない・・・。

そんな他国の事情を詮索するよりも、日本のことを考えると、感染状況は明らかに抑えられている。東京の陽性者数は11月第1週が142人、第2週が171人、第3週が123人、と完全に底を打っている状態である。これまた不思議である。いくら普段は誰しもがマスクをしているからだというが、飲食店はもうほぼ完全に元の黙阿弥状態。マスク会食している人などはほぼ皆無である。

このような状況下であるためか、政府は26日から1日の入国者制限を現在の3,500人から5,000人に引き上げるという。空港での検査態勢を強化したことで、入国枠を広げても感染拡大につながる恐れは低いと判断したからだという。参考までに今年の訪日外国人の数は下記の通りである。

1月:46,500人   【第3波】
2月:7,400人
3月:12,300人
4月:10,900人
5月:10,000人   【第4波】
6月:9,300人
7月:51,100人   (オリンピック関係者)
8月:25,900人   【第5波】
9月:17,700人
10月:22,100人

1月は年末年始でやはり人の流れが多く、7月と8月が多かったのは東京オリンピックのためである。これが1日の入国制限を5,000人まで引き上げらると、おそらくひと月の入国者は倍増近くの4~50,000人になるのではないかと思われる。そのことは、感染リスクがこれまでより倍増、いやそれ以上になるということである。

水際対策、検疫体制の更なる強化をしなければ第6波はやってきてしまう。



月曜日, 11月 22, 2021

「競馬の神様」が降臨してきたー!

競馬に興味のない人はスルーしてください。
昨日「競馬の神様」が降臨してきました。 競馬の神様と言えば大川慶次郎。ご存知の方も多いと思いますが、大川慶次郎は1950年代から90年代まで活躍した競馬評論家。競馬および競馬評論に尽力した人ですが、なかでも有名なのが4度にわたって翌日の競馬を予想で的中させた「パーフェクト予想」です。ただ、大川が当てたのは6枠連単(後に8枠連複)の馬券しかなかった時代で、申し訳ないが現在のような馬連、馬単などという時代より、当たる確率は高かった。それでも、全レースということは関東、関西の24レースを当てたことになり、それはそれは驚くべきことであり、彼に「競馬の神様」という称号が与えられるのは当然のことです。 で、話は戻ります。昨日の東京競馬場で行われた全12レース。私はなんと1レースから10レースまでの馬連(1・2着の馬を当てる)を10レース連続的中させたのです。ただ、私は大川慶次郎のように前日予想ではなく、パドックの馬をしっかり見てからの的中ですから、大川とは比較のしようがありません。しかし、10レース連続的中なんてなかなかできるものではありません。私のこれまでの連続的中は3〜4レースぐらいだったと思いますので、10レース連続的中なんて「競馬の神様」が降臨したとしか言いようがありません。 万馬券を当てるのも競馬の醍醐味ですが、連続的中というのも醍醐味のようです。そのことを悟った1日でした。

午前中の的中結果 

水曜日, 11月 17, 2021

ワクチン未接種の人はある程度の制限がされるのは承知してもらいたい

東京の陽性者数が30日以上50人を下回っている。3週連続で週の感染者数が100人台で明らかに下げ止まりでいる。しかし、お隣の韓国では日本と同じぐらいワクチン接種が進んでいるにも関わらず感染者数は減っていない。一時はK防疫と胸を張っていた韓国だったが、今やその面影もない。文在寅政権は相当な打撃を受けているに違いない。

日本は確かに今は感染状態が落ち着いているが、いつまた韓国のようになってもおかしくない。そうならないためにも、何度もいうが、ワクチンおよび治療薬などの防疫体制、PCRなどの検査体制、空港など検疫体制を徹底しなければならない。そうしないと医療体制がまた逼迫しかねない。

なかでも徹底すべきは検疫体制である。インフルエンザはだいたい海外から入ってくると言われている。コロナにしても第1波は中国からの観光客、第2波は海外からの帰国者、そして第5波はオリンピック関係者が感染を広めたのは確実なのだから、今後も海外から訪日客を徹底的に検査、検疫すべきである。

一方で気になるのがワクチン接種率の低下である。10月末日の接種率は1回目78.0%、2回目72.5%だった。それが半月経った11月15日の接種率は1回目78.9%、2回目75.6%である。このままでいくと11月末日に1回目接種が80%を超えることいは難しい状態になった。そして、年内にはほとんどの都道府県でワクチン接種を終了する。

結局のところ国民の10人に2人は打たないことになる。まあ、子供や高齢者、アナフィラキシーなど恐れのある人がいるので、最終的にはおおよその見当ではあるが、20人に1人ぐらい、国民の5%(625万人)ぐらいが打つのを拒否した可能性がある。

今後はこうした人たちが次に来るであろう第6波のときに罹患率が高くなるので、それを守るなり防ぐ対策を練らねばならなくなっている。PCR検査の完全無料化は無論のこと、海外渡航の制限、病院・介護施設などでの面会制限などある程度の制限はいかしかたがない。

ワクチンを打つか打たないかは自由である。ただし、海外にあるようなロックダウン的行動制限は絶対反対だ。だが、感染拡大防止のためある程度の制限が課せられることは承知してもらいたい。

火曜日, 11月 16, 2021

我が青春の地、東急文化会館

渋谷の再開発が進んで、もう何処に何があったんだが分からなくなってしまった。

私が渋谷でもっとも足を運んだのは現ヒカリエが建っている東急文化会館だ。東急文化会館は1956年(昭和31年)2月に渋谷パンテオン、渋谷東急、東急名画座、東急ジャーナルの4つの映画館とプラネタリウムなどが入った複合文化施設としてオープンした。

4つの映画館の中で渋谷パンテオンと渋谷東急は新作洋画の上映を主体としていて、渋谷パンテオンは70mmフィルム映写機の特大スクリーンがあり、ここで数多くの洋画を観た。渋谷東急はどちらかというと洋画のB級映画の上映が多かった。

で、私が一番多く足を運んだのが東急名画座だった。1960年代後半から1970年代前半、私が中学生・高校生だった時、ここでは洋画や邦画の旧作が確か120円か150円という価格で観られた。ヒッチコック作品や1950年代のミュージカル映画、恋愛映画を数多く観た。当時の封切り映画が1000円から1200円の時代だったので、中高生や若者にとって名画座は頼もしい味方だった。

そして、東急ジャーナルへも何度も足を運んだ。ここはもともと10円でニュース映画を観れる映画館だったのだが、確か毎週月曜夜にNET(現・テレビ朝日)が日曜に放送していた「あ〜、ヤンなちゃった」でお馴染みの牧伸二が司会を務めていた『大正テレビ寄席』の収録が行われていた。私はこの収録に抽選で当った父親に連れられて何度か足を運んだ。そこで林家三平、三遊亭歌奴(後の三遊亭圓歌)、月の家円鏡(後の橘家圓蔵)、立川談志、東京ぼん太、Wけんじ、てんやわんや、漫画トリオ、チャンバラトリオなどを観た記憶がある。私が今でも演芸に対する愛情を持っているのはこの時の経験が大きい。

今や渋谷には名画座のような映画館は無くなってしまった。しかし、演芸はユーロスペースを始めとして、あちこちのホールで行われている。渋谷に定員150人ぐらいの寄席があればなあ、と最近は思っている。

写真は東急レクリエーションより

土曜日, 11月 13, 2021

立憲民主党の次の代表には枝野路線の発展継承を望む

私は4年前に枝野幸男が立憲民主党を同志7人と共に立ち上げたときに、いち早く寄付した9百数人の1人です。つまり筋金入りの支持者の1人と言っても過言ではない。

その立憲民主党がこの間の選挙では惜敗した。マスコミは惨敗などと書くが選挙結果をちゃんと分析すれば分かるが全然惨敗ではない。それでも代表の枝野は責任をとって辞任する。それは当然であり潔いと思う。

これから代表選挙が行われ、次の代表が決まるが、私は党員でもなければパートナーズでもないので投票権はない。しかし、次の代表には枝野路線が間違いでなかったことを証明して、発展継承していく人になってもらいたい。そのためにも、久しぶりに寄付をした。




水曜日, 11月 10, 2021

打つ打たないは自由だが、できればワクチン接種をしてもらいたい

先週の東京の陽性者数は142人(1日平均20,28人)、検査件数は39,100件、陽性率は0.36%だった。おそらくこの辺が底であろう。今後はいかに陽性者数を1日30人以下を維持できるかが課題となりそうだ。そして、これが50人以上の日が続けばすぐに何らかの対策を打つことになるだろう。

そして、ワクチン接種率も時事通信社の調べでは11月10日時点で、全国平均で1回目接種を終えた人が78.1%%、2回接種を終了した人が74.5%になっている。ところが、東京の接種率は1回目が76.5%、2回目が73.5%とどちらも全国平均より下回っている。この要因は第一に人口が多いことがあり、次にやはりワクチンに懐疑的な人がまだまだいるからだろう。

ちなみに都道府県別では接種率が一番高いのは秋田県(1回目82.8%、2回目78.9%)で、一番低いのは沖縄県(1回目67.6%。2回目64.2%)。全体としては東北および北陸の接種率が高く、沖縄、大阪、北海道、岡山、京都の接種率が低い。

いずれにしろ、ワクチン接種が感染拡大を防止していることは間違いないので、アナフィラキシーの恐れがある人、妊娠している人などワクチンを打てない人は別にして、単に懐疑的なだけな人はワクチン接種をしてもらいたい。そうでないと、海外へ行くことは無論のこと、接種率が低い沖縄へ行くことも感染リスクを高めることになる。

【注意】下記の写真データは11月8日時点の東京のもので、本文とは多少ズレがあります。



火曜日, 11月 09, 2021

「夜明けの雷鳴」を読む。やはり長州は好きになれない

久しぶりに本を一気に読んだ(2日かかったが)。吉村昭の作品はこれまでに何冊も読んでいるが、この「夜明けの雷鳴」は読もう読もうと思いながら今日まで至ってしまった。

主人公の高松凌雲は幕末から大正初期まで活躍した医師。一橋家の医師だった凌雲は徳川昭武が名代のパリ万博日本代表団の随行医師として渡欧。万博後は留学生としてオテル・デュウ(HOTEL-DIEU:神の家)という病院兼医学校で勉学に勤しむ。しかし、明治維新によって帰国。ここまでは現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け!」で描かれていたのでご存知の方も多いのではないだろうか。

帰国後、凌雲は榎本武揚率いる旧幕府軍に従軍して、箱館病院頭取となり、敵味方関係なく治療を施す。このことが新政府軍に評価され、五稜郭開城降伏の仲介役として活躍した。終戦後は東京の徳島藩邸に4ヶ月幽閉される。その後、徳川慶喜がいる静岡藩に奉公を願いでるも、帰国して水戸藩主になっていた昭武の願いによって水戸家に仕える。と同時に開業しても構わないという許しを得て、1870年(明治3年)に浅草新片町で開業した。その凌雲には再三政府より要職につくように依頼きたが、彼はすべて辞退した。1877年(明治10年)に上野桜木町に鶯渓病院を設立。その後は一貫して民間の医師として赤十字の先駆けとなる同愛社を作り、大正5年に亡くなるまで貧困者の救済に尽力を注いだ。

さて、この本の中には多く幕末の裏話が描かれている。なかでも箱館戦争に関してのことが興味深い。旧幕府軍の死者は会津戦争と同様に埋葬されることなく野ざらしされた。本当にこの措置は酷い。これはおそらく会津の時と同じように長州藩の意向があったのではないだろうか。新政府軍参謀だった黒田清隆は榎本武揚らの才能を高く評価していて、凌雲を信頼して根気よく講和を問い続けた。もし、この講和が実現しなかったら業を煮やしていた西郷隆盛の命を受けていた桐野利秋(中村半次郎)らの大隊と激しい戦闘になっていたに違いない。また、長州の木戸孝允(桂小五郎)は榎本らの処刑を迫ったが、黒田、福沢諭吉らが強く反発して、1872年(明治5年)に特赦で釈放され、榎本は北海道開拓史に出仕を命じられ、その後は新政府の要職を歴任した。

このほかにも興味深かったのが、徳川昭武が北海道開拓に力を入れていて、昭武は北海道天塩川流域に実際に足を運んでいて、その時には凌雲も同行している。

読後の感想としては、渋沢栄一ほどではないにしろ高松凌雲も大河ドラマの題材になりうる人物だと思う。これまでに彼を描いたドラマがないのも不思議である。そして、やはり長州は好きになれない。

月曜日, 11月 08, 2021

真打同時昇進決定後初の「新版三人集」

昨日(7日)は日本橋社会教育会館で行われた「新版三人集」を聞きにいく。


左から一蔵、小辰、市弥

まずは恒例の開演前トーク。登場するなりお客さんから3人にレイならぬ首飾り(ビーズネックレス?)がかけられる。しかし、小辰だけはどうしてもネックレスではなく数珠(肩袈裟?)に見えてしまう。トークは当然ながら3人揃っての来年秋の真打同時昇進話になる。3人がスーパー前座と呼ばれた時代の話や、落語協会理事の皆さんの配慮があって同時昇進になったらしい裏話や、3人が何処で師匠から真打昇進の電話を聞いたかなどを超ハイテンションで話す。まずはとにかくめでたい、めでたい。で、出演者と演目は下記の通り。

柳亭一遼   「小町」
柳亭市弥   「野ざらし」
春風亭一蔵  「佐野山」
 〜 仲入り 〜
入船亭小辰  「不動坊」

開口一番は柳亭市馬の弟子、市弥の弟弟子になる柳亭一遼。とても端正な顔立ちの二枚目。市馬師匠は弟子を顔で選ぶのだろうか。w

市弥のマクラは先日亡くなった柳家小三治の話。9月に放送された「新・美の巨人」で末広亭を紹介するときに、小三治師匠が高座に上がる時に、今の前座は師匠の出囃子「二上りかっこ」を誰も叩けないので、私が呼ばれて太鼓を叩いた、と。良い話だ。

一蔵のマクラは小辰と仕事で多治見へ行き、その帰りに下呂温泉へ行ったときの話。元トラック運転手というだけあって、小辰を都内で拾ってから多治見に着くまでの運転行程を一気にまくし立てる。これには一蔵も「練習もなしでこれだけ話せるのは私ぐらい」と自画自賛。w そして下呂温泉の激アツの露天風呂話は滑稽。2人ともまだまだ若い。

小辰は前の2人の持ち時間がかなりオーバーしてしまったので、マクラもそこそこに本題へ。

今回は3人とも真打昇進ということで完全に浮ついていて、忘れ物をしたり噺のミスも目立った。しかし、今回はみ〜んな許す。お客さんたちも同様だったと思う。何よりも3人が一緒に同時昇進できたことを喜んでいたり、お客さんが後押ししてくれていたことを認識していることが素晴らしかった。

次回は来年2月22日。次はもうお祝いムードだけではいられない。



金曜日, 11月 05, 2021

柳家さん喬十八番集成・晩秋公演

昨日(4日)は国立演芸場で開かれた「さん喬十八番集成・晩秋公演」を聞きに行った。演目と出演者は下記の通り。

柳亭左ん坊  「浮世根問」
柳家やなぎ  「短命」
柳家さん喬  「お直し」
 〜 仲入り 〜
柳家さん喬  「らくだ」

最近の柳家さん喬を聞く時の開口一番はいつも柳亭左ん坊(柳亭左龍の弟子=柳家さん喬の孫弟子)。前々々回は「酒の粕」、前々回は「出来心」、前回は「道具や」、そして今回は「浮世根問」。この数ヶ月に彼を4回も聞いているが、「道具や」を除いては健闘している。今回も八五郎とご隠居の大喜利のような問答を飄々と話す。まだ若いのでしっかりした味は出せていないが、出汁は良いものが入っている。

柳家やなぎはさん喬の11番目の弟子。風体も話し方も総領弟子の柳家喬太郎に似ている。マクラでトロ鉄火丼の話を延々とやるので新作落語をやるのかなと思ったら、いきなり古典の「短命」へ。これには場内のお客さんも呆気にとられる。このへんもどことなく喬太郎風。滑舌はしっかりしているし、声も大きい。表現力も構成力もある。将来が楽しみな二ツ目だ。

「お直し」は売れなくなった花魁が一緒になった男と転落していくいうお気まりの展開の廓噺。さん喬の女性の語り口は天下一品。下手な歌舞伎の女形より上手い。その女形を演じると同時にやさぐれ男や酔った客まで同時に演じるのだから、これは落語というより一人芝居。芸というよりも芸術。約1時間の長講だが、まったく飽きを感じさせず聴き入ってしまった。

「らくだ」はフグに当たって亡くなったらくだという男を、屑屋とらくだの兄貴分というドブロクの政が落合の焼き場まで運ぶ滑稽噺。見せ場は小心者の屑屋が酒を飲むと豹変するシーンだが、さん喬は酔うと共に弱々しい繊細な声が、ごく普通の声になり、最後は大虎の声になる。酔っ払いを演じるのは下戸の方が上手いとよく言うがまさにその通り。このシーン、喬太郎をはじめ酒飲みの多い弟子たちには無理だろう。w こちらも50分におよぶ長講だったが、完全に聞きいってしまった。

次回の「さん喬十八番集成」は来年3月。チケットを先行発売していたのでロビーで購入。こちらは珍品2席の長講ということで楽しみである。



木曜日, 11月 04, 2021

投票率アップは絶対に必要である

選挙前「投票率を上げれば野党に有利、と考えるのは間違いである」というツイートが多くみられた。これは7月の都議会議員選挙で投票率が前回より8.89%下がったにもかかわらず、立憲民主党や共産党の候補者が多く当選したから言われたに違いない。しかし、このとき議席数を減らしたのは都民ファーストだけで自民党も数を伸ばしていた。

そして、今回の衆議院選挙、全国の投票率は2017年の53.68%から2.25%上回って55.93%になった。なかでも東京の投票率はもっと上がっていて、前回より3.57%も上がり、投票率は57.21%までになった。このため東京の投票所のあちらこちらに行列ができた。

こうした投票率のアップで東京では自民党の候補者が相次いで落選した(比例復活はするが)。私は東京・目黒区に生まれ住んでいるので友人知人の多くは東京3区〜9区に住んでいる。これらの選挙区ももちろん前回より投票率がアップして、4区以外の6つの選挙区で野党統一候補が自民党候補に勝利した。前回選挙では7選挙区のうち5選挙区は自民党が勝っているので、この7選挙区においては自民党は惨敗である。

このように、やはり投票率をアップさせること、政治に関心を抱かせることは大事であり選挙結果につながる。来年夏には参議院選挙がある。そのときも投票率アップに貢献できるよう頑張りたい。



水曜日, 11月 03, 2021

ワクチン未接種者の海外渡航は絶対に止めてもらいたい

東京の陽性者数が完全に底をついている状態になった。もう毎日がインフルエンザの1学校閉鎖状態レベルまで下がった。その要因はウイルス自壊なのか、はたまた抗体ウイルスの出現なのか、それとも全く違う要因なのか、早くその原因を究明してもらいたい。

そんななか、先週私の知人3人(40代〜50代)がまだワクチン接種を終えてないことを知った。3人は今月中には2回目接種を終えるということだが、ワクチンに対してはかなり慎重だったようだ。れいわ新選組の山本太郎もまだワクチンを打っていないようなので(このことをテレビで聞く古市某はゲス野郎だ)、ワクチンに対して懐疑的な人はまだまだいる。それはそれで悪いことではない。ワクチンを打つか打たないかは個人の自由なのだから。

さて、日本のワクチン接種率は10月末の時点で1回目が78.0%、2回目終了が72.5%となった。当初の私の予想では10月末までに1回目接種が80.8%、2回目接種者が68.3%という予想だったので、1回目は少ないものの、2回目は大幅増なので、ワクチン接種に対するアレルギーはかなり少なくったようである。このままでいくと年内には85%前後の人が1回目の接種を終え、82%以上の人が2回目接種を終えそうである。

ここまで進めば集団免疫は作られるだろう。ただし、パンデミックが終わるまで申し訳ないがワクチン未接種者の海外渡航は絶対に制限してもらいたい。日本がここまで感染者が減ったのはどんな要因があるにせよ、ワクチン接種の効果があると言わざるをえない。実際、現在の感染者のほとんどが未接種なのだから。それゆえにワクチン接種をしていない人の海外渡航は絶対に止めてもらいたい。




火曜日, 11月 02, 2021

無知の涙、今回の総選挙で多くの若い人は自ら牢獄に入った

若い人の間では「変な変化をするのが怖い」などと言って自民党に投票した人がいるそうだ。もう無知の涙としか言いようがない。

「無知の涙」とは連続射殺事件を起こした死刑囚永山則夫が獄中で書いた手記のタイトルである。永山は獄中に入るまで不憫な生活を強いられ、しっかりとした教育を受けられなかった。そのために獄中で数多くの書物と接して自分の無知を嘆いたという。彼はその後「木橋」(新日本文学賞受賞)などの本を書いたが、1997年8月に刑場の人となった。

今回の選挙結果、自民党は今後4年間政権を手放すことはない。これで選択的夫婦別姓は完全になくなった。最低賃金も大して上がらない。また消費税も2〜3年後には13%もしくは15%になるだろう。また大学の授業料の値下げもなくなった。防衛費は増強され、東シナ海は今以上にキナ臭くなるだろう。そして、格差社会はどんどん広がっていく。

こうした社会を若い人は選んだのである。自分たちで自分の首を絞めるどころか、自らが牢獄に入ったのである。無知
の涙である。そして、こうした過去の人のことを書いても、若い人は学ぼうとしない姿勢も無知の涙である。

 



月曜日, 11月 01, 2021

東京5区、手塚仁雄の当選は手放しでは喜べない

衆議院選挙の結果は大変残念なものになった。そんななかで、救いというか一矢報いたのが私が住む東京5区で野党統一候補の手塚仁雄が現職大臣の若宮健嗣を得票率で2%引き離して勝利したことだ。

私は選挙前に手塚のFacebookに「2位じゃダメなんだ、1位になれ」「相手の候補を比例復活できないぐらい勝て!」と書いた。結果は1位になったが、若宮は比例復活してしまった。つまり、これは私にとって勝利ではなく、敗戦に近い手塚の当選であった。

それにしても、維新の田淵正文が全体の20%の投票を得たのに驚いた。選挙前の私の予想は下記の通りで、田淵はせいぜい13%ぐらいと予想したが、それを7%も上回る票数を得た。これは田淵が医師であるということ、2017年の衆議院選挙で希望の党から比例で出たり、2020年目黒区長選挙で顔を知られたことなどもあるが、結局のところ、自民や立憲、共産に対する受け皿になったからだろう。維新が大阪で躍進するのは解っていたが、関東でもかなりの票を得たのは既成政党に対するアンチテーゼの表れであろう。このことはれいわ新選組にも言える。

いずれにしろ、東京5区は最低限の救いというか、自民党現職大臣を落選(比例復活するが)させたことは神奈川13区で甘利明幹事長を落選させたように、次回選挙のモデルになる。野党はこのことをしっかり分析するべきである。

東京5区2021の予想得票率
手塚仁雄(立憲)45%
若宮健嗣(自民)42%
田淵正文(維新)13%

東京5区2021の結果
手塚仁雄(立憲)111,246(41.0%)
若宮健嗣(自民)105,842(39.0%)
田渕正文(維新)  54,363(20.0%)

東京5区2017の結果
若宮健嗣(自民)101,314(41.1%)
手塚仁雄(立憲)  99,182(40.3%)
福田峰之(希望)  45,737(18.6%)