火曜日, 9月 11, 2007
青森の一八寿司はおすすめです
旅先で寿司屋に入るというのは度胸がいる。これまでに数多くの土地で寿司屋に立寄ったが、正直、ここは絶対おすすめという店はなかった。もちろん寿司屋を訪ねる前には、宿泊先の従業員やタクシー運転手などに聞いて、最低限の情報収集をするが、それでも当たりというお店はなかなかない。
今回、宿泊先で紹介されたお店は二つ。一つは青森県庁前にあり、もう一つは駅前から伸びる新町通り一歩裏の通りにある。共に歩いていける至近距離にある。どっちに行くか迷ったが、後者の方を選んだ。
お店は写真を見ても分かるように、最近店舗を改装したようで、道を挟んだ反対側には別館もあり、地元でも人気の店のようだ。
本館の店内は8席ほどのゆったりしたカウンター、テーブルが4つ、2階にはお座敷があるようだ。私が訪れたのは夕方の6時半過ぎだったが、店内は地元の商店主やサラリーマンでほぼ満席状態だったが、私は幸運にもカウンター席の左端に座ることができた。
まずは生ビールを注文する。普段はアサヒの生を飲む私だが、この日は津軽塗りで出来たカウンターの前に並ぶネタを見て、サントリー・モルツの生を注文する。そして、このお店の親父さんらしき人に「ニギリますか、ツマミますか」と言われたので、刺し身を適当にお願いしますと答えた。
すると、出てきます、出てきます。ホタテ、イカ、赤身、サーモン、ヒラメ、ボタン海老などがあっという間に目の前に整然と並んだ。まずは当然ながら青森なのでホタテを食します。一言、旨いです。文句のつけようがありません。次にイカを食べます。美味しいです。言葉になりません。ここで一杯目のビールがなくなったので、二杯目をお代りする。
青森に来たら、必ずホタテやイカは食します。大抵は駅前にある「食事処おさない」で定食やラーメンを頼みます。ここは良心的な値段で地元の人や出張サラリーマンで賑わっています。ここのホタテやイカも文句のつけどころがありませんが、一八寿司のホタテやイカは非の打ち所がありません。親父さんに「青森のホタテとイカは日本一旨いですね」と言うと、「みなさん、そうおっしゃいますね」とちょっと素っ気ない。こっちも挨拶代わりのセリフなのだから、仕方がないだろう。
サーモンやボタン海老を食しているうちに二杯目のビールもなくなった。やはり、ここは地元の酒を飲むべきだろうと思うと、壁には地元の酒の札が掛かっている。「辛いのにしますか、あっさりしたのにしますか」と若い板前さんに聞かれたので「あっさりをお願いします」と答えると、彼は七戸町の特別純米酒「作田」というお酒を勧めてくれた。これが本当にあっさりしている。アルコールなのに渓流の水のような爽快感がある。これでは、ぐいぐい飲んでしまいそうだ。ガラス製の徳利も一合以上入るようなしっかりしたものだ。酒が旨い。
「いい飲みっぷりですね」親父さんが褒めてくれた。「本当に旨いのですから、飲みっぷりも良くなりますよ」と返した。すると、親父さんは北寄貝のキモを出してくれた。こうなると、酒が益々すすんでていってしまう。そして、私はホヤをお願いした。すると、今度は見事なみかん色のホヤが出てきた。う〜ん、見た目だけでちょっと唸ってしまったが、その味はもっと唸りたくなるような渋味と甘味が調和されたものだった。こうなると、日本酒もお代わりをせざるを得なくなってしまった。
これ以降のことはよく覚えていない。もちろん、握りも食べたが、何を頼んだかよく覚えていない。かといって、酔っ払っていたわけではない。私は刺し身や寿司を肴に、親父さんとの会話を楽しんでいたのである。全国津々浦々、美味しい寿司屋さんはいっぱいある。しかし、その味も板さんの腕と会話次第だと思っている。寿司屋の醍醐味は板さんと丁々発止しながら、新鮮な味覚と会話を楽しむところにある。
最後に気になるお値段。約2時間いたがこれで8000円を下回っている。東京では到底考えられない値段だが、青森でも価値ある価格であろう。ランチの握りもある。
一八寿司(いっぱちずし)
青森市新町1-10-11・TEL 017-722-2639
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