9月11日というと、誰もが2001年の同時多発テロのことを思い浮かべるだろう。しかし、私は22年前の1985年のこの日のことを忘れることはないだろう。
22年前のこの日、夏目雅子は亡くなった。享年27歳だった。
この日、私は下北沢にある本多劇場の事務所に打ち合わせに行っていた。そして、打ち合わせが終わった帰り際に、事務所に届いていた夕刊を勝手に広げたら「夏目雅子、死去」と書かれていた。それを見たとき、私の身体は震えざるをえなかった。そして「ウソだろう〜」と胸の中で叫んだ。
1980年に私は夏目雅子と遭遇したことがある。
その日、朝から仕事で横浜に行っていた私は、池袋にあった会社に帰社するために横浜駅で東横線に乗った。すると、目の前に白い帽子を深く被っている綺麗な女性が座っていた。私はすぐに気がついた、夏目雅子だと。
私の胸はいきなりハイテンションになった。初恋の人に再会したとき以上にドキドキした。彼女はそれから渋谷駅までずっと台本のようなものを読み続けた。私は車窓の景色を眺めたり、週刊誌を見たり、車内広告を見たりといったフリをして、ずっと彼女を見続けていた。今思えばあんな至福の時間はなかった。
そして、その年の12月に彼女の転機となるテレビドラマ『ザ・商社』(和田勉演出)がNHKで放送された。
夏目雅子、永遠に忘れることのない女優さんである。
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