水曜日, 8月 15, 2007

傷痍軍人を知っていますか

今日は8月15日。終戦記念日。それで思い出したのが傷痍軍人。ひと昔前まで街中には傷痍軍人という人がいました。覚えていますか。

今日では第二次世界大戦(太平洋戦争)の傷跡は、心の傷跡を除いて完全に消えました。しかし、昭和40年代前半までは、新宿、渋谷、新橋などの繁華街には傷痍軍人という人が街頭にいました。彼らは白衣をまとい、戦傷した腕や足を露呈しながら、アコーディオンで軍歌を弾き、オモライさん(募金行為)をしていました。

小学生の頃に、私は傷痍軍人のことについて、中国に出兵した経験のある父に聞いたことがある。
「傷痍軍人は全国に何万人もいる。だけど、外で乞食をする者なんてほんの一握りだ。そのなかにはインチキなヤツもいる。戦場で負傷した者でないヤツもいるんだ。戦場で戦ったヤツがあんな乞食をするなんて考えられない」
と、かなり荒々しく答えたことを覚えている。

そもそも傷痍軍人とは何かといえば、国のために戦ってケガをした人のことを言う。彼らは基本的に軍人恩給等で生活保護などはされるものの、それでもその金額は少なく、多くの傷痍軍人はケガの大きさに関係なく仕事をしていた。しかし、なかには前述したように乞食行為をする人も少なくなく、街中に戦争の傷跡を残す結果となってしまった。こうした行為は不正行為だったのだが、警察は哀れんだのかどうかわからないが、取り締まりをしたという話を聞いたことはなかった。

今日では傷痍軍人のこうした光景を見ることは完全になくなった。しかし、街中には「○○○地震被害者支援募金」だとかいって詐欺行為をする者がいる。街頭募金にはくれぐれも注意してもらいたい。とにかく同情心だけで物事を見てしまうのは、相手の思うツボですから気をつけましょう。

戦争の傷跡が何処にも無く、今日が何の日であるかを知らない人が増えた。それはある意味平和でいいことなのかもしれないが、あの戦争で亡くなった人や傷を負った人たちがいたから、いまの自分たちが存在していることだけは知ってもらいたい。

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